物流不動産ニュース

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震災から国難になって − 第4回 クライシスマネジメントと物流対策

 広域、複合災害が現実となってもう四半期が過ぎてゆく。年度末を迎えて来期の計画を準備するとき、再び災害の想定を行うことは無謀だろう。不十分な対 策、未熟な情報網、頼りにならなかったパートナーシップ、読むに値しない緊急マニュアルの存在を振り返って歴史に何を学ぶか。
 市場原理とは各人が勝手に合理化追求を行えば、市場はそれに答えてくれるはずだった。合理化や経済性の追求が、競争の原理であり、勝ち残れる秘訣だった はずなのに、現実は全く違っていた。最低最適な価格条件で取引をまとめていたが、有事には手配ができない。断られた。信頼の置けるパートナーだったはず が、実は八方美人の誰からでも頼りにされるためにこちらを向くこともできない不義理な仲間だったことも分かった。
 失われたインフラや道路や橋は、すぐさま復旧できるはずがどこも大事に思わず、作業はどんどん遅れる。時間の遅れは資金の底をつき、だれも保障や猶予を待ってはくれない。納めたはずの税は地元にはなく、今ここで必要な資金は回ってこない。
 地方と中央の連絡は悪く、行政は手をこまねくばかりであり、タダの災害が国難になっている。応援は助かる、ボランティアも有り難い、警察消防自衛隊は見事にその使命を果たそうとしているが、それを支える国の力はどこにも感じられない。
 復旧のための材料が回らず、資金も巡らず、人手も絶対的に不足している。何より救命活動を重視するのは当然としても、そこにも自活や自決(自分の意思で 態度・進退を決めること)によって生き延びようとすることばかりだ。憲法の最低限度の生活と安全、健康を維持するための活動が行われているとは思えない。 余りにも人も物もカネもたりないのが被災地の現状で、すでに100日が過ぎ、200日が同じように過ぎてゆくように見える。
 何より災害地にリーダーが不在だ。足りないものが届く気配もない。明日のために準備されている計画がほとんど示されていない。いつまで辛抱すれば良いのか、いつまで待てばよいのか、次に何が準備されているのかがほとんど示されない日々は、耐乏の連続に思えてくる。
 地域自治と行政と政治、情報の流れや命令系統、指示や作業の流れは分かっているのに、ほとんどが個別、独立、勝手に動いているとしか見えていない。
 広報を肩代わりするメディアも報道に一貫性がなく、その都度のトピックや話題しか提供していない。明日から1年、どんな生活をしなくてはならないのか、街の復興にはいつから何が始まるのかが示されていない。
 災害や事件を甘んじて受け入れる覚悟はあるものの、この国が私たちに何を準備してくれるのかが見えてこない。これこそが国難であり、復興を支える気力が失せている日々が続く。
(イーソーコ総合研究所・主席コンサルタント 花房陵)