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忘れた頃に来る災害に備えた物流 − 第7回 クライシスマネジメントと物流対策

 寺田虎彦が弟子たちに語ったという『災害は忘れた頃にやってくる』名言が紙面を飾ることが増えてきた。マーフィーの迷言、『起こるかも知れないと不安に思うことは、必ず起きる。しかも最悪の状況下で、オーマイゴット!』
 東日本大震災は地球規模でも歴史的でも、最悪の状況だったが、次はさらに最悪となるだろう。その時、私たちはどうするか?家族や子どもたちは無事に生き残れるだろうか。仕事は続けられるだろうか、日本は大丈夫か、地球はどうなるのか。
 温暖化現象は氷河期の反動であって、何もオゾンやCO2のせいではないことが徐々に科学的気象的に証明されつつある。首都圏が暑いのはヒートアイランド 現象といって、高層ビルや空調の廃熱によって、自然サイクルを上回る熱が放出されていることが原因だ。日本近海の温度が高いのは、もしかすると原子力発電 の廃熱が原因とも言われている、だって発電効率が30%という低率であり、高出力=高排熱だからだ。漁業権の放棄は仕方がないだろう。電機出力の2.5倍 の排熱が日本近海を巡れば、水産資源はどうなるか。節電は排熱削減にもなるから、どんどん進めなくてはならないだろう。

 災害や被害によって経営や企業が停滞し、そして復活してゆくにはリジリエンスという回復力が基本にあるとダイアン・クーツは調べ上げた。
 リジリエンスの要素は、企業の立地や環境、自治体の抵抗力にもよるが、企業組織では強い人材とリーダーシップがあったと調べ上げた。
 災害によって自宅待機となっても、工場に出かけ、店舗の後片付けを行い、トラックを動かして災害救助を行った人材がいる。
 けっして暇なおじさんではなかった。命令されなくても、居ても立っても居られない衝動が人を突き動かしていた。そして、物流の技術と知識があれば、人の命を救い、商品を運び、工場を再開させることができた。
 物流は、その技術と知識が多くの人とモノを扱うことに長けている。だから有事の際には何より重要な活動となるのだ。コストで縛られ、ミスで叱られ、サービスでさらに頭を下げ続けてきた物流が、である。
倉庫にあふれた売れない商品が、有事の際には救命となり、代替商品となり、生産活動や販売活動の源となる。『あって良かった、買えてよかった』と喜びを運んだのである。
 こんなことはめったにないだろう、というのは思うもの言うのも勝手だが、備えているものには強みと優位になる。
 災害協定の現実を捉えれば、物流マンはもっと全面に出てくるチャンスがある。
不確実性の時代とは、恐怖と混乱の裏返しだからだ。慎重さが求められる、謙虚な経営陣が必要とされる。その交渉相手は物流ということに、気づいているのはどれだけ居るだろう。
 いないなら、物流が出向いていって商談を始める時代に入った。エネルギーも消費者もどんどん減ってゆくこれからの時代に、再び有事となればもう立ち上がることはできない。
そのことに備えたものが、真の生き残りというものなのだ。さらば効率、いよいよ慎重居士。

(イーソーコ総合研究所・主席コンサルタント 花房 陵)


国際物流総合展2021