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大消費国家、日本の行く末 − 第11回 政治と物流不動産『政権交代で何が変わるか』

 我が国は特異な国家として存在している。ドル換算のGNPは今年にも中国に抜かれて第3位に落ちるが、それでもまだなおであ る。家計消費は300兆円を前後して、世界第2位の消費先行国家であることは変わらない。しかもアメリカのように借財によるクレジット消費ではないのだ。 収入に合わせた身の丈、始末のきちんとした消費なのだ。

 笑い話のようにアメリカは映画でお買い物中毒のワタシ、スパーサイズミーと過剰消費と摂取を取り上げるが、我が国にはそれはない。消費大国であり 同時に貯蓄大国であることも不思議の一つである。高い貯蓄率が異常な国家負債を消化しており、800兆円の国債も他国に流れることなく自国で支えている。  

 貨幣不安もなく国家への信頼は絶対である。ペイオフ制度と呼び、金融機関の不安を明らかにしてもなお、預金と貯金は一層の増額預入を続けている。

 ポートフォーリオという市民の財産リスク方法を知っていながら、株や不動産、金地金への投資は消極的であることが世界一勤勉で慎重で横並び意識の強い国民なのである。

 不景気に際してもこの態度は御しやすい。収入が減っても税制度が改悪されても、身の丈消費を慎ましくするだけでストライキや国家への批判を高じるわけではない。

 労働人口の減少と高齢化への変化は所得収入の減少となり、当然消費自体も減少することは避けられない。皆で仲良く業界全体の成長はもう望めないのだ。政治に頼り圧力団体として支援を受けることも民主党政権下ではタブーに近い。

 消費市場は所得水準に直結しており、デフレ化で給与が伸び悩むなら方策はただ一つである。消費を喚起するのではなく消費の用途を自社に引き入れる しかない。異業種との競争である。家計消費の支出傾向を見ると明らかなのはサービス消費への傾注である。医療教育娯楽支出の伸びが堅調であり、耐久消費財 支出が止まっている。テレビ家電製品の普及率は飽和しており、自動車ももういらないと宣言している。買い替えは進むだろうが、新たな追加的なモノはもうい らないと。

 消費の意思決定は女性が握っている。家も自動車もテレビも皆、女性が首を振らない限りは安くても高機能でも売れない。欲しいのは楽しみであり、喜 びであり、驚きなのだ。モノではなくコトが欲しい。うんちくや歴史、商品にまつわるイベントが欲しい。さてここに販売の妙味がある。セールスは商品を並べ るだけでなく、買う気にさせるテクニックでありコンサルティングなのだ。購買を代行して差し上げるコンシェルジェとして存在の意味がある。

 モノに意味を持たせるには設計や工場ではできない。売り手と買い手が出会う店舗によって、接客接遇によって対面販売によってしか為しえない。店は劇場、対話のあふれるサロンにならなくてはならない。礼儀正しいセールスマンのいるショールームであることが必須なのだ。

 販売管理費を下げるのではなく、一層注ぎ込んで売ることが求められている。
(イーソーコ総合研究所・主席コンサルタント・花房陵)


国際物流総合展2021