物流不動産ニュース

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ロボット救世主 robotics(第35回) 物流マネー70兆円のゆくえ

日本ロボット工業会調査によると今年のロボット販売額は2.9兆円まで拡大している。自動車産業の市場規模は65兆円だから、まだまだ僅かな規模ではあるが、世界的にも伸び率は爆発傾向にある。それは、時期基幹産業としての要素を多く含んでいるからだ。機械、部品、ITプログラム、デザイン、採用用途としてオールラウンドとも無限の広がりが見えてきているからだ。

生産工場や物流センター内部での人手不足対策や長時間稼働など、原始的な活用に限らず、医療現場や宇宙深海探査、サービス最前線で「人ができない仕事」をこなせるようになってきている。

物流システム機器は<人ができること>の代替機関として発展してきたが、人が手出しをできない領域へのロボット進出はどこに見出せるだろうか。人手不足対策以上に付加価値創造を行えれば、成長している物流業界が更に拡大することだろう。


年額ストック20
兆円、キャッシュフローで50兆円の市場規模を持つ物流業界

そこにロボティクスの新たな利活用が登場すれば、それは自動車業界65兆円を遥かに超える新市場が誕生することになる。物流センターは今や工場と店舗の代替機関として、十分に機能を発揮している。であるなら、生産工場と流通店舗の不動産規模も物流市場と捉えることが出来るであろう。工場店舗などの法人所有の不動産マーケットは450兆円になる。主には工場、事務所、店舗施設であるから、およそ6割は物流規模とみなしても良いはずだ。300兆円規模が一気に計算できる。

ますます成長する物流マーケットにおいては、ロボット設備投資などわずかに感じられるだろう。

早く気づくべきビジネス構造の変化は、体力や気力での物流マンから知的情報センスに溢れた情報産業とも言うべき領域への転換なのだ

プラモデル制作に明け暮れ、ゲームマシンを手放さなかった少年がこれからの物流を担うはずだ。体育会系体力重視から、どちらかといえばオタク系器用な人材が求められる。そうでなければこの波には乗り遅れるに違いない。

 

<イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント 花房陵>