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メンテナンス - 第9回 現場のスローガン 物流改善12の視点

企業や事業現場が従業員、人材を本当に重視して大切にしている証拠は、すぐに見て取れる。本音なのか、建前なのかは誰にでも分かってしまうのです。それは、仕事で使う道具やモノをていねいに、大切に長く使おうとする思想があるかどうかに現れているからです。

ビジネスの収支は大事だけれども、一度会社の用になったモノをどれほど大事にしているかは、「丹精」という言葉に表れています。日本独特の盆栽の手入れに通じる精神は、日本企業ならではのものなのです。使い捨て文化、大量生産と大量消費、しかもモノだけでなく人材までもがそういう風潮がある中で、本当に大切にする思想が丹精に込められています。

新しくなくても、高価なものでなくても、手入れを怠らないという風土は日本独自のものであり、モノを扱うのと同じように、人への配慮と人こそが最大の資産であると言う証拠にもなるのです。

マテハン機器、施設や設備、自動機器、事務所の文房具に至るまで、毎朝清掃を行い、定期点検を漏れなく行うことが道具を長く使うことにつながります。松下、ソニー、ホンダ、トヨタの工場や事業所では、ケチの代名詞のように数十年も動き続ける、古参の機材があちこちに見られます。最先端機器ばかりでは決してないのです。びっくりするほど古い。ケチか使い倒すという根性なのかは分からないが、これらのトップいずれの企業も人材を重視していることに疑いはありません。

 優れた人材が安心して働く職場には、象徴的な古参の機材が輝きながら鎮座している、これが真実なのです。人もモノも大切にする、そのためには日頃の手入れ、メンテナンスが習慣化されているのです。

(イーソーコ総合研究所主席コンサルタント 花房 陵)