物流不動産ニュース

物流、物流不動産、倉庫を網羅した
最新ニュース・情報を発信しています。

  • メール会員情報変更
  • メールマガジンバックナンバー
  • ニュースメール配信登録

<緊急対談> 「すぐわかる物流不動産」が日本不動産学会賞受賞! 

文部省学術団体の公益社団法人 日本不動産学会は11月25日、2017年度日本不動産学会賞を発表、著作賞に日本大学の鈴木邦成教授、イーソーコ会長の大谷巌一共著の「すぐわかる物流不動産~倉庫から物流センターへと進化したサプライチェーンの司令塔~」が受賞しました。

▲左より、イーソーコ社長・遠藤文、同会長・大谷巌一、日本大学・鈴木邦成教授

近年、ネット通販業者の大型物流拠点の開設が相次ぎ、その先進的な情報化の仕組みが話題になる一方、投資の対象として物流センターが注目を集めています。

同書は2016年4月、白桃書房より発刊。サプライチェーンなどのロジスティクス要素が経営戦略に重要な位置を占めていること、物流施設を不動産ととらえ、巨大物流センターの立地や機能、内部オペレーションの進化や情報化の動きを解説したほか、施設の評価指標を設定した特徴づけを行っています。

最新の大型物流施設の動向が既存の倉庫業に変化を促した結果。新たな不動産ビジネスが生成、展開されてきたかを物流不動産ビジネスの定義を与えるとともに詳細に解説した点が評価されました。


▲イーソーコ会長 大谷巌一         


▲日本大学 鈴木邦成教授

大谷 鈴木先生はこれまで約60冊の自著をご発表されていますが、ご受賞は初めてとなりますか。

鈴木 このような権威ある賞は初めてです。不動産学の専門家の方々が審査を務めておられます。サブタイトルの「倉庫から物流センターへと進化したサプライチェーンの司令塔」も内容をよく表していてよかったと思います。

大谷 鈴木先生は「理論編」、私は「実務編」としてケーススタディを書かせていただきました。

鈴木 企業戦略でロジスティクスの重要性が高まってきているなか、物流以外の団体から賞をいただけたところが大きなポイントになりますね。

大谷 物流施設の注目度が上がるなかで、物流不動産という言葉は業界内外で定着しています。我々イーソーコが推進するのは物流不動産ビジネスです。いつか区切りをつけたいと考えていました。

物流不動産ビジネスは現在、物流業者が中心になりますが、不動産業者さんが物流を勉強すれば、ビジネスの幅が広がり、仕事に活かせるに違いない。一番いいのは建物自体のポテンシャルを知ることです。その入門書になってくれればうれしいですね。

鈴木 商業ベースで考えれば、書きたいことを書くことと売りたいことを書くのでは違うものですが、版元の白桃書房さんも今回の受賞を喜んでくれていました。大谷会長、最近の物流不動産ビジネスの動きはありますか。

大谷 物流不動産ビジネスはうまくいくこと自体はみんなわかっています。莫大な金額が動いていることも事実です。しかし、団塊世代の物流業者の経営者は不動産の業者を毛嫌いしていることも事実です(笑)。面と向かってはっきり言われました。バブル時代に東京でお酒を飲んでいる時に、お札を店でばらまいたりする不動産業者をみて、「あんな下品な奴らは最低だ」と口を揃えて言われます。

しかし、私も黙ってはいません。「イーソーコが進めているのは不動産ではない」と。不動産を業態化していくロジックは理解してもらえるのですが、「不動産屋が言い寄ってきても心を許していない」と言われます。

鈴木 なるほど、そうかもしれませんね。

大谷 その世代のジュニアは経営権を持っていますが、筆頭株主はお父さんです。いろいろな意味で彼らは逆らうことはできないのですが、今回の受賞が非常にいいタイミングになると思います。若い社長たちに私の隠れファンが多く、表舞台にはまだ上がることはできないのですが、今回の受賞が物流不動産ビジネスへの起爆剤となればいい。

私は彼らに「お父さんの責任にできるのは2020年まで」と私は説明しています。2020年の東京オリンピックイヤーには80歳に手が届く方が多いわけです。そのお父さんの功績を認めながら、目立たないところで徐々に体質を変えていくように動いているわけです。物流革命ではなく、物流改革を旗印に一歩ずつ着実に歩んでいるところです。

改革で言うなら、最近の物流システムの進歩は速く、大和ハウス工業が現在開発中のDPL流山で、Kivaシステムと同じようにロボットが可搬式棚の下に潜り込み、ピッカーの立ち位置まで搬送する「バトラー」を提案していますね。あのロボットに席巻されたら、物流業界では人手が不要となります。倉庫業者は6500社ありますが、この99%は中小事業者で、その中の99%はオーナーズカンパニーです。そこが我々のマーケットです。オリンピックイヤーまでが勝負だと見ています。先生、最後に今後の展望をお聞かせください。

鈴木 今回の受賞が「物流不動産が世間に広く認知されるきっかけ」になればよいと思います。今回の受賞を機にさらに物流・ロジスティクス領域の研究を進めていきたいと思っています。

 
▲授賞式の鈴木邦成氏

Profile・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
鈴木邦成(すずき・くにのり)
物流エコノミスト、日本大学教授(物流・在庫管理などを担当)。一般社団法人日本SCM協会理事、一般社団法人日本ロジスティクスシステム学会理事、専門は物流およびロジスティクス工学

大谷巌一(おおたに・いわかず)
1957年生まれ、東京都出身。イーソーコ株式会社取締役会長、株式会社イーソーコドットコム取締役会長、株式会社イーソーコ総合研究所取締役会長、東運ウェアハウス株式会社取締役会長、日本物流不動産株式会社取締役会長、物流不動産BIZ株式会社取締役会長、ロジスティクス・トレンド株式会社取締役会長、株式会社リソーコ取締役会長、株式会社東京サプライチェーン取締役、日本物流施設株式会社取締役、協同組合物流情報Net‐e理事長、日本物流不動産評価機構有限責任事業組合評価員、同推進協議会委員を兼務、学校法人日通学園流通経済大学客員講師


国際物流総合展2021