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ビル経営研究所 企画事業部 工藤朋子 -記者に聞く 第6回 

ービル経営研究所に入社したきっかけをお教えください。

青森で生まれ育ち、大学進学を機に埼玉に「上埼」しました。開発途上国で識字率向上に関わる仕事がしたいと思い大学では国際関係論を専攻したものの、そこで思いがけず数多くの大手メディアの方々のお話を聞く機会があり、新聞記者になりたいと考えるようになりました。大学卒業後はすんなりと新聞社に入ることができませんでしたが、地方の観光に携わる会社で働いたのち、30歳で大手新聞社の地方版の校閲業務に就きました。そこで「文章に間違いがないことの大切さ」と「地方発の情報の興味深さ」を発見しました。今でもこのふたつは私が仕事をするうえで非常に大切にしている要素です。35歳になる年に不動産業界の専門新聞「週刊ビル経営」の記者となりました。週刊ビル経営を発行している会社・ビル経営研究所は少人数の組織ですので、私は現在「企画事業部」という部署に所属していますが、記事の取材・執筆だけでなく入稿のほか広告営業やセミナーイベントの運営などさまざまな業務に携わっています。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ービル業界を扱った専門紙は貴重ですが、「週刊ビル経営」とはどのような媒体なのですか。

不動産業界に関する専門新聞は数多く存在しますが、「事務所」や「店舗」など非住居系の賃貸ビル事業に特化した唯一の媒体であるのが「週刊ビル経営」だと思います。オフィスや店舗が数多く存在する東京でたくさん購読していただいていますが、一方で地方で長く購読してくださっている読者の方もいます。コアなターゲットは個人や中小企業でビルを所有する「ビルオーナー」で、どのようにして満室稼働かつ高い収益でビル経営を実現するかという視点で情報発信しています。賃貸ビル市場の最新情報や、法務・税務面での専門的な内容など内容は多岐にわたりますが、もっとも読者であるビルオーナーから多く必要とされている情報は「ビルオーナーの言葉」だと感じています。ビルオーナーという職業は社会的にも少数で、ほかのビルオーナーが考えていることや取り組んでいることを知ることが難しいようです。週刊ビル経営の紙面は、そんな読者のビルオーナーを全国規模でつないでいくという役割を担っている自負があります。

ー今後の賃貸ビル業界について、何か気になる動きはありますか。

昨年顕著だったのが、大手デベロッパーが中小規模ビル事業に本格的に注力し始めたことです。厳密にはそれを対外的にリリースするデベロッパーが多かったという印象を持ちました。中小ビルオーナーにしてみたらブランド力や資本力がある大手デベロッパーが築浅で最新設備が整ったビルを提供し始めたら、築年数が経過したビルはどんどん競争力が弱まってしまうことになってしまい、脅威にもなりかねません。個人的には大手デベロッパーの中小ビル事業と既存の中小ビルオーナーが共存できるような展開になってもらえたらと痛感しています。もうひとつは、既存物件の再生事業の鍵を握るのが金融機関の存在であるということです。現在金融機関は融資に積極的な姿勢ですが、それでも既存物件の改修などについて金融機関はあまり融資に積極的ではないと聞きます。たとえば融資を希望して「デザイン力などを用いたリノベーションで空室を解消し、収益を向上させることも可能だ」と事業計画を示したとしても、金融機関の担当者がピンとこなければ融資がおりる可能性も高まりません。また、法定耐用年数が経過した物件を有効活用のため取得したいと考える人にも与信がなければなかなか融資がおりることがありません。既存建築物の有効活用を促進するために、不動産業界がどれほど金融機関を啓発できるかという点に注目しています。

ー今後の紙面展開は

かねてから、もっと人に注目した記事を多く掲載することが課題とされてきましたが、現在少しずつですが、「ビルオーナーの交遊録」や「ビル経営哲学」などのテーマで新コーナーを登場させています。また、今後はビル経営に関わらずとも人となりがわかるような記事を掲載したいという思いが編集部内で起こっています。  また、これは実現するかどうかはわかりませんが、一般紙を真似てビル業界における悩み相談コーナーなどを設けたら面白いのではないかと思い、先日そのような企画を編集部内で提案してみました。悩みはビル経営に関わる内容でなくても受け付けて、ビル経営になぞらえた回答をするというような構想です。とにかく、週刊ビル経営という媒体をもっと多くの方に気軽に読んでもらえるような、軟硬おりまぜた媒体にしていきたいと意気込んでいます。

 

▼週刊ビル経営HP
http://www.biru-mall.com/