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川崎陸送株式会社 樋口 恵一代表取締役社長 − キーマンに聞く 第28回 

 今年創業88年を迎えた川崎陸送は、食品を中心としたサードパーティ・ロジスティクス(3PL)事業を展開している。昨年11月には、物流不動産企業の ナカノ商会と業務提携を発表、物流不動産業界に衝撃を与えた。狙いは、得意の食品関連物流に適した物流施設調達を強化することで、より事業内容を充実させ ることにある。3PL業界でも注目を集める樋口恵一社長にナカノ商会との業務提携を含め、強い会社作りのための戦略を聞いた。

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――共同配送などサービスメニューを強化している。

樋口 運送、保管など単体の物流業務では、複雑・高度化する顧客ニーズに応えられない。当社では通関から保税倉 庫、流通加工、共同配送と食品物流へのニーズにトータルで対応できるサービスメニューを整備している。最近の食品物流業界は、共同配送の引き合いが多い。 1回のオーダーが小ロットの貨物でも、共配のルートに乗せることによって貨物を集約でき、効率的な配送が可能になる。今後も共配事業は伸びるだろう。

――海外への事業展開は検討していないのか。

樋口 円高などにより、食品の輸入が増加し、日本の小売向けにラベルを貼りかえるなどの流通加工の需要が増えて いる。通関、検品、配送と当社で一括してサービスを提供できる強みを発揮している。海外に進出しなくても、世界経済の動きを的確に判断し、日本でも事業を 伸ばすことは可能だと考えている。
また、きめ細かなサービス提供のために、パート社員の育成、定着率向上を図っている。派遣社員では生産性が落ちるため、高品質な流通加工を行うには、自社 で育成した熟練パート社員の存在が鍵だ。昨年から3年計画で各営業所の休憩室を改装。パウダールームを増築するなど居住性を高め、働きやすい環境を整えて いく。パート社員が定着すれば生産性も向上し、パート同士の口コミで人を連れてきてくれるので、求人広告を出す必要もないという好循環が生まれる。

――ナカノ商会との業務提携は物流不動産業界でも注目されている。

樋口 ナカノ商会とは古くからビジネス上の協力関係があり、当社の運送・流通加工、ナカノ商会の物流不動産ビジ ネスとお互いにない強みを持っている。流通加工に最適な設備の充実した施設調達には、ナカノ商会の力が欠かせない。同社が調達してきた施設に食品物流に強 い当社が様々なメニューを付加することにより、顧客に向け総合的なサービスを提供できる物流施設になる。お互いが得意な分野で活躍し、食品専用の充実した 物流施設とサービスを作り上げれば、荷主に安心感を与え、次の仕事につながる。食品輸入増に伴う流通加工事業の拡大を見込み、今後も物流施設調達と運営を 強化していく。

――教育の充実で強い会社を作っていく。

樋口 質の高いサービスを提供し、荷主ニーズに応えていくには、顧客目線で仕事を進められる人材の育成が不可欠 だ。当社は年2回のカイゼン大会を実施。また、新入社員には8冊の課題図書を与えて読書感想文を書かせ、文章を書く習慣を身に付けさせている。さらに、毎 週土曜日には、若手の有志が勉強会を開いている。社内の管理職を講師に運賃計算、倉庫の管理、システムなど業務に関連したあらゆる分野において、学び合 い、情報を共有している。良い会社を作り上げるには、地道な努力しかない。地道な努力を積み上げると5~10年のサイクルで会社が良くなってくるのがわか る。今後も社員教育を推進し、食品物流分野であらゆる顧客ニーズに顧客目線で対応できる物流業界の「加賀屋」(心のこもったおもてなしでリピーターの多い 石川県の高級旅館)を目指したい。


国際物流総合展2021