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国際衛生株式会社 亀井 良祐代表取締役社長 − キーマンに聞く 第20回 

 食品物流を手がける企業には、大きな影響を及ぼすかもしれない。それが現在、アメリカの食品・飲料メーカーで導入が進むAIBという食品安全基準だ。日 本では山崎製パンが先頭となって導入し、国内で製粉・パン業界を中心に広く浸透してきた。その取得支援を熱心に行っているのが国際衛生だ。もともと、業務 用のリン化アルミニウムくん蒸剤などの販売や施工で殺虫・防虫業界では国内シェアナンバーワンの同社。薬剤が残留することのない高度な有害生物防除を得意 とし、「パナプレート」や「パナエックスライザー」「フミトキシン」などの商品を販売する。顧客へのサービスの一環として開始したAIB取得支援コンサル について物流業界への影響を聞いた。

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AIBという食品の安全認証について語る亀井社長

 ――AIB監査を物流会社も受けないといけなくなるのか?

 亀井 アメリカでは、物流会社がAIB監査を受ける動きが出ている。もともとパンメーカーの集まりだった米国 製パン研究所が確立した監査だったが、パン以外の食品メーカー、飲料メーカーにまで広がっている。食品メーカーから物流や梱包材メーカーといった関連企業 にも監査を受けるよう依頼がいっているようだ。AIBの基準に対応していなければ、食品メーカーと取引ができなくなるかもしれない。日本では、山崎製パン さんが強力に推進した事で、注目を浴びている。アメリカと同じ動きとなれば、いずれはパンメーカーだけでなく、他の食品・飲料メーカー、関連企業にまで AIBの採用が広がっていくのではないか。

 ――アメリカの食品安全監査を、どのようにしたら日本で受けられるのか。

 亀井 JIB(社団法人日本パン技術研究所)がフードセーフティ部を立ち上げ、日本でのAIB監査を実施して いる。JIBから監査員の先生が来て、現場を見てくれる。監査に合格したら、その点数によってランク分けされ、証書がアメリカのAIB本部から発行され る。もちろん、監査員の先生は日本人で、どう改善したらいいかも気軽に教えてくれるので、安心していい。

 ――AIB以外にも食品安全の基準はいろいろあると聞くが。

 亀井 ISO22000や、HACCP認証がある。全体的にはISO22000がメジャーかもしれない。最 近、欧米では、ISO22000をベースにしたFSSCという認証も出てきている。しかし、パン業界では、AIBがメジャー。食品メーカーでは、何かしら の監査合格や認証取得を考えている。“食の安全・安心”という面から、食品に関連する業界はこういった食品安全の評価を重要視してきている。

 ――物流業界も例外ではない。

 亀井 現在、AIBの監査を受けているのは、日本では食品メーカーがほとんどで、倉庫の実績は未だ少ない。し かし、世界的に見る、倉庫の監査の割合が全体の四分の一近くに上っている(2009年実績)。荷主である食品工場からの依頼でAIB監査を受けている様で ある。そういった意味では、日本でも近い将来、AIBをはじめとする食品安全の評価を物流会社も受けなければならない時期が来るであろう。ライバル企業よ り先に取っておくと、ビジネスチャンスになるのではないか。食品メーカーから言われる前に評価を受けていれば、信頼感は高まるし、仕事獲得の武器になると 思われる。

 ――いろいろある監査や認証のなかで国際衛生がAIBを推奨する理由は。

 亀井 監査を受けると改善点も教えてくれる点だ。他の認証は、監査とコンサルが別々。監査で落ちても、どうす ればいいかは自分で考えないといけない。ISOは書類審査中心だが、AIBは現場中心で実践的な監査員が監査しながらも、改善すべきところを指導してくれ る。杓子定規ではなく、その現場にあった対応を指示してくれるので改善対応がやりやすい。また、監査ではなく指導だけでも受けられるのも面白い。

 ――例えば、どんな指導になるのか。

 亀井 通常、床と壁は直角で交わっている。しかし、それではほこりが溜まりやすくなり、食品衛生上よくない。 だから、カーブをつけて、掃除をしやすいようにしなさいとか、壁にびっしり荷物を置くと点検や清掃ができないので、50cmぐらい離して、点検ができるよ うにしなさいとか。現場にあわせて、どうすればいいかをより実践的に指導してくれる。

 ――貴社の立場は。

 亀井 現場を見せてもらえれば、AIBの基準に準じて採点し、監査を受けた場合に、どの程度の点数になりそう かが、おおよそ分かるだけのノウハウを持っている。言わば予備校の先生ですね。もちろん、そこでどう改善するかを提案し、改善・改良のお手伝いもさせてい ただく。顧客食品メーカーさんの食品安全評価を手伝えないかと考えて、いろいろと研究してきた。一番、現場の目線にあっているのがAIBという結論にな り、日本パン技術研究所のご指導をうけ、AIB手法を全社あげて勉強し取得支援システムを確立してきた。

 ――AIB監査や各認証取得の国内の状況(2010年10月現在)を見ると、まだまだ少ない。

 亀井 AIBで監査や指導したのは600拠点程度。この10年ぐらいで、着実に実績を挙げている。世界の状況 や、“食への安全・安心”への対応から、今後はもっと伸びてくる。ただし、AIBの問題は、現地を視察する監査員の先生方が7名程度と少ないことだ。監 査・指導する場所が遠かったり、工場の敷地が大きくて、監査に数日要したりすると、申し込んでから監査までに非常に時間がかかる。そのため、監査を受ける 前に当社のコンサルを受け、監査に向けてどの様な計画を立てて準備をしたら良いかを相談される会社さんもある。

 ――気になる金額は?

 亀井 AIB監査の料金は、JIBの会員以外でも1日20万円。工場の規模にもよるがたいていは40~60万 円程度で済むだろう。ISO22000の200~300万円に比べると安いと思われる。もちろん、現場によっては改善するための工事費などが発生すると思 う。また、AIBの特徴は、ISOなどの様な認証期間がない点。AIBは、○月○日に監査し、その時点で問題ないことを証明する。あとは、何年ごとに監査 を受けるかは、受ける側の判断となる。1年ごとの企業もあれば、2年ごとの企業もあると聞いている。

 ――倉庫の場合は、現状にあった指摘をしてくれるAIBの方が合うということか。

 亀井 倉庫といってもいろいろな形や設備の倉庫があると思う。そういった点では、AIBで実践的指導がある事 は、有利だと思う。またコスト面でも有利だろう。食品安全に関して有害生物防除のプロの目線から一つ提案するとしたら、倉庫が空になったときに、“空くん 蒸”をするといい。荷物がない時に、残留しないくん蒸剤(フミトキシン)で倉庫をくん蒸する。害虫がいないと思っている倉庫でも、くん蒸後に点検すると害 虫の死骸が出てくる。フミトキシンは害虫だけでなく鼠駆除にも大きな効果がある。新しいお客様の荷物を入れて、害虫や鼠の被害が出てからでは、信用問題に もなるだろう。それを未然に防ぐには新しい荷物を入れる前に処置する事を勧めたい。AIBと一緒に試してみてほしい。

 問合せ先: 国際衛生について(有害生物防除、食品安全提案、AIBコンサル) http://www.kokusaieisei.jp/
 日本でのAIBについて(社団法人日本パン技術研究所 フードセーフティ部) http://www.foodsafety.jp/


国際物流総合展2021