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杉村運輸株式会社 平山 賢代表取締役社長 − キーマンに聞く 第22回 

 今年10月に50周年を迎える杉村運輸。親会社は関西では財閥系倉庫として歴史とブランドのある「杉村倉庫」だ。平成18年に、杉村運輸と東京杉村運輸 が合併し、新生「杉村運輸」が誕生。同時期に完全子会社化も行い“杉村”グループとして戦略的ビジネス展開を進める。杉村運輸の使命は、倉庫内の荷役・流 通加工と、運送部門の強化。付加価値をつけたサービスを提案していく。

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今年10月に50周年を迎える。杉村グループとして躍進を図る平山社長。

 ―50周年という「記念の年」であるとともに、杉村グループとしての改革も進んでいる。

 平山 平成18年に関西の杉村運輸と関東の東京杉村運輸が合併した。地域性から、それぞれの社風があり、初め はお互いが異文化と接しているようだった。人材の交流などを行い、「異文化交流」を進めてきた。また、合併の前年に杉村倉庫の完全子会社になったことで、 運輸と倉庫の「異文化交流」も加速している。運輸と倉庫で業務の仕分けを行っているところだ。

 ―業務の仕分けとは。

 平山 今年の6月から、倉庫の中の管理は杉村倉庫で一元的に行う。一方で、倉庫内の荷役作業や、運送は杉村運 輸が責任をもって行うことになった。重複して持っていた事業を集約し、ノウハウと経験を有効的に活用できる。また、人事交流も増えたおかげで、営業の幅も 広がっている。従来であれば、倉庫は保管の仕事、運輸は配送の仕事を取ってきていたが、保管から運送まで、総合的な営業を行うことができるようになり、結 果が出ている。

 ―例えば。

 平山 大手事務機器メーカーの仕事をしているが、当初は、運送だけだった。それが保管などもやらせていただ き、現在では関西のメイン拠点を運営させてもらっている。倉庫と運輸の総合営業が功を奏している。当社が得意としているのが事務機器と、医療機器。精密機 器関係が得意なので、その分野で保管から運送の一貫したサービスを提案していく。また、事務機器では、単なる輸送だけでなくセットアップなども行う。そこ から事務所の引っ越しや、事務所のレイアウトなども行い、ビジネスの幅が広がっている。この成功事例を医療機器にも同様に展開したい。既に、リネンなどの 輸送をやっている。いずれは、医療器具などの回収や、薬品の輸送など、特殊な免許が必要なものも手がけていきたい。それが当社の強みになるだろう。

 ―配送部分で様々な工夫をし、付加価値を提案している。

 平山 ガムテープのいらない段ボールを開発した。引っ越しに大活躍し、不要な段ボールを引き取りに行っても、 そのまま書類の保管などに利用されることが多い。ノートパソコンやデスクトップパソコンを簡単に梱包できる資材もある。また、静脈物流にも力を入れてい る。事務機器の輸送をやっていると、古くなった機器の回収などが出てくる。ただ配送するだけでなく、その再利用、リユースができる仕組みを考えている。そ のための古物商の免許も持っている。今後、業績を伸ばしていくには、従来のやり方をただ踏襲するだけではだめだ。自分たちのできる範囲で、付加価値をつけ たサービスを提案していく。さらに、若い世代の人たちが新しい業務の柱を成長させられるように基盤作りにも力を入れている。

◆チャレンジ、変革続きの50年

 ―50年前に倉庫会社が運送会社を立ち上げるということはどういうふうに受け止められたのか。

 平山 前身のマルエス運輸を設立したのが昭和36年。当時、倉庫会社で運送会社を持っている企業はほとんど無かった。総合物流という意味では、先進的だったのではないか。また、昭和46年厚木マルエス運輸(後に東京杉村運輸に社名変更)を設立し、関東に進出した。

 ―やはり完全子会社化と新生杉村運輸の誕生が、杉村グループとしてのターニングポイントとなっているのか。

 平山 その前に、倉庫と運輸の人事交流が始まった。ちょうど戸田営業所の計画が立ち上がったとき。このとき、 運輸からは私が倉庫に出向し、倉庫側の2人と計3人でプロジェクトを進めた。平成9年度の1年で、満庫にして、出向は解かれたが、そのときの経験は大き かった。運輸では、倉庫の保管料の計算方法などは分からない。そういったことを教えてもらい、営業をかけていった。杉村グループも、この経験の重要性を知 り、倉庫と運輸の「異文化交流」が進んでいった。

 ―杉村グループとして戸田の拠点は、チャレンジの場だったということか。

 平山 現在は戸田には物流施設が多数あるが、当時は地元の物流企業しかなく、競艇場の駐車場ばかりだった。た だし、立地を見れば、関東の配送拠点として活用できると考えた。特に都内への配送は2回戦できるのが大きい。その需要を見込んで拠点を建てたのが成功して いる。また、保管型倉庫から流通型の物流センターになることも見越し、施設のスペックを考えた。都内配送に使うことで2tトラックが着車してフラットにな る高床にした。倉庫=保管からの脱却と、倉庫と運輸の協力、新しい戸田という土地での戦略展開が、見事にうまくいった。

 ―50年で、チャレンジ・変革を続けてきたが、50年というのはゴールではなく、一つの区切りでしかない。

 平山 精密機器関連で新しい事業を行い、エコ部分でも新しいビジネスができつつある。まだまだ小さいが、これ を大きくしていく。基盤は我々の世代が作るので、次期の経営者候補が大きくしていって欲しい。金額としては、50年で売り上げが約50億円なので、10年 後には60億円にはしたいと考えている。


国際物流総合展2021