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トラボックス 吉岡泰一郎社長 − キーマンに聞く 第18回 

 「求荷求車サービス」や、「100社へ物流見積もり!」などの運営で知られるトラボックス。物流業界にインターネットを使った新しいビジネスモデルを持 ち込んだ会社だ。開始から10年を超え、運送会社の会員は7,000社(荷主企業を含めると18,000社)を超えた。それでも、新たなサービスメニュー の開発に余念がない。3月には、同社とイーソーコが共同で開発した「トラボックス倉庫情報サービス」が刷新され、会員から新たな問い合わせを生んでいる。 吉岡社長の基本理念「会員さんに喜んでもらう」と「専門家(=プロ)と手を組み、サービスを拡充する」について聞いた。

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写真・トラボックス株式会社 吉岡泰一郎社長

 ―リニューアルした「トラボックス倉庫情報サービス」の問い合わせが好調だ。

 吉岡 トラボックスのTOPページにリンクをつけただけで、問い合わせが増加した。もともと、会員さんから倉 庫の問い合わせはあったが、リニューアルして、問い合わせが倍増している。今後は、会員向けメールマガジンやブログでの紹介などで、「倉庫情報サービス」 の露出を増やしていく。さらに問い合わせが増えていくのが楽しみだ。

 ―会員さんは運送会社さんが中心。輸送のニーズはあっても、倉庫のニーズはあるのか。

 吉岡 「求荷求車サービス」は、運送会社同士の取引の場だが、2004年から開始した「100社へ物流見積も り!」は、荷主企業―物流企業間の取引が中心。“会員さんが荷主企業に、いかに付加価値のある提案をできるか?”を考えていけば、価格競争だけに陥ること はない。その一助として、倉庫の情報がある。倉庫の情報を加えることで、輸送だけでなく、保管・在庫管理・流通加工などにも対応できるようになり、荷主企 業への提案の幅が拡がると思う。何より実際に問い合わせが増えているのは、潜在的なニーズがあったからだと思う。

 ―今後の利用拡大を考えるなら、会員さんへの意識改革も必要だ。

 吉岡 駐車スペースや倉庫を持っている会員さんは多い。しかし、空きがあってもどうしていいか分からない会員 さんもいる。倉庫サービスを始めることで、倉庫の有意義な活用方法を見出してもらいたいと思っている。また、その成約事例・成功事例を紹介していければ、 自然と利用する会員さんは増えてくる。それが会員さんの利益を創出することになる。

 ―そこで活用しているのが、会員さんへのメルマガやブログだ。

 吉岡 多くの方に見てもらい、反響があるのを実感している。新サービスの周知は“口コミ”の力も大きい。“こ んな新しいサービスを開始した”“こんな成功事例があった”そんな情報が発信されていくと、会員さん間の口コミで拡がっていく。もちろん、サービスが悪け れば、悪い噂が立つ。常に、いい口コミが立つように、使い勝手のいいサービスを目指している。

 ―求荷求車や100社へ物流見積もり!といったシステムを開発した。自社で倉庫サービスもできたのでは。

 吉岡 システムを作るだけならばできると思う。しかし、自社がそれを行って、会員さんにプラスか?ということ を考えると、変わってくる。“餅は餅屋”ではないが、やはり、専門家(=プロ)にお願いするのが、会員さんにとって一番だと思う。自社でやれば、もしかす ると目先の利益にはなるかもしれないが、スピード感のある対応や、有益な提案などができなければ、会員さんの利益につながらない。会員さんのプラスになら なければ、会員さんが離れる原因にもなる。そのため、トラック・運送に関係する部分は当社の役割として行うが、物流に纏わる(まつわる)その他の分野は専 門家(=プロ)に任せると割り切っている。倉庫関係はイーソーコさん、M&Aは、日本M&Aセンターさんと提携しているのもそのためである。

 ―日本M&Aセンターさんの提携では、どういった動きがあるのか。

 吉岡 日本M&Aセンターさんとの提携で、「友好的M&A」を推奨できるようになった。会員さんからいろいろ と相談が出てきている。例えば、後継者がいないという会員さんと、企業を大きくしたいという会員さんを結びつけることができる。また、事業規模を拡げるた めに、ホールディングスにして、各社を事業会社として存続させる方法もある。長引く不況下でも、規模を拡張したいという意思を持った会員さんは多い。

 ―倉庫情報サービスの運営をイーソーコに委託したのも会員さんのサービスを考えて。

 吉岡 自分も宅建の資格は持っている。しかし、イーソーコさんの物流不動産のノウハウで運営してもらった方 が、はるかに会員さんにとってプラスになる。常に「サービスが先で、利益は後」を考えて、ビジネスをやっている。そうなると、運営も専門家(=プロ)に委 託するのは、当然の流れ。対応のやり方もしっかりしていて、一つ一つの問い合わせに対し、常に連絡してもらっていて安心している。大きい情報も細かい情報 も公平にしっかり対応してくれるので、イーソーコさんを信用している。

 ―今後の展開は。

 吉岡 やはり、情報数が重要だと思っている。どのサービスにも言えることだが、情報数が多ければ、多いほど、まとまる可能性も確率も高くなり、会員さんのメリットも高まる。それがビジネスにつながり、会員さんの喜びの声を聞くのが楽しみだ。