物流不動産ニュース

物流、物流不動産、倉庫を網羅した
最新ニュース・情報を発信しています。

  • メール会員情報変更
  • メールマガジンバックナンバー
  • ニュースメール配信登録

【第1回】物流不動産ビジネスの業界化へ向けたイーソーコグループの人財戦略 イーソーコドットコム代表取締役:早﨑幸太郎氏に聞く 

社会経済の発展に資する「人財」の採用・育成・輩出を通じ、企業における様々な経営課題の解決に取り組む株式会社イーソーコドットコム。これまで担ってきたイーソーコグループの人財部門という枠を自ら外し、物流不動産ビジネスのさらなる振興に向け新たな施策を展開している。「物流不動産ビジネスで、新しい業界を創りたい」。イーソーコドットコムの早崎幸太郎社長が、その思いを語る。
聞き手:浅野真由(株式会社イーソーコ総合研究所)

業界化のカナメは人と会社

―イーソーコドットコムの設立からおよそ10年。グループの人財関連部門として存在感を強めてきました

早﨑 2010年に設立したイーソーコドットコムは、人財、レンタルスペース運営、ITという3つの事業を柱としています。「物流不動産ビジネスの業界化」というイーソーコグループ全体のビジョンのなかでは、主に「人創り」と「会社創り」という役割を果たしています。今回は「人創り」の戦略についてお話しします。
イーソーコドットコムでは、人財の採用と育成、そして社内外への輩出までを担っています。人財の各部門を強化するため、採用関連で役割の異なる合弁会社を3社立ち上げました。
・株式会社しるべ
・株式会社Dreamship
・株式会社ロジネス
まず、株式会社しるべは学生のキャリアアップ支援事業や学生団体のバックアップ事業などを展開しており、主催する「SHIRUBE」は、登録学生数約1300名、OB・OGも合わせると2000名以上という日本最大の学生団体です。
少子高齢化が進み、従来型の一括採用から採用方式が変化する中、中小企業が新卒を採用するのは今まで以上に難しくなります。新しい業界に若い人財の力は必要不可欠なので、採用媒体に頼るのではなく、学生団体自体を自社GPで運営することで、学生のうちから、物流不動産ビジネスの魅力を知ってもらう環境を作りました。それが株式会社しるべです。

人財育成は学生のうちから

―学生との直接的なパイプを持っていることは大きな強みですね。

高橋 確かに強みにはなりますが、SHIRUBEはあくまで学生主体で運営する団体です。もともと学生に営業の面白さを伝える活動から始まりましたので、実践的なセミナーやワークショップなども開催していますが、単なる勉強会ではなくメインは学生が活躍できる場の提供です。それもはじめからやる気を持った学生ばかりではなく、むしろそういう場が苦手そうな、後ろ向きな学生に共感するような団体です。
学生同士もお互いに受け入れ合う、認め合うというのが基本的な考えで、誰でもやりたいことができるような環境をつくるよう心がけています。

―多様な学生が集まり、幅広い人財の確保につながりそうです。

早﨑 幅の広さは、集団の特性とともに個々人の能力にも通じます。物流不動産ビジネスを担う「物流不動産ユーティリティープレイヤー」は仕事の幅が広く、オールラウンダーであることが求められますから、その候補となり得る学生に早い段階からアプローチできるのはイーソーコグループとしてもメリットです。
しかし私たちが目指すのは、物流不動産ビジネスの業界化というもっと大きな目標です。数年前からグループ内だけではなく、物流不動産ユーティリティープレイヤーを必要とする全ての企業に輩出できる準備を整え、実際に送り出してきました。
今後は物流不動産ユーティリティープレイヤーだけではなく、さらに幅広い業種・業態へもアプローチしていこうと考えています。

学生の交流促すSNSプラットフォームを開発

高橋 しるべはもともとイーソーコグループや物流不動産関連だけではなく、新卒を採用している全ての企業に対して学生を紹介出来るプラットフォームサービスも備えていました。ところがコロナ禍以降、学生の動きに大きな変化が生じ、企業も対応を迫られています。

―オンラインでの会社説明会や面接などが増えましたね。

高橋 2021年に入ってからは、多くの学生団体が設立されるようになりました。コロナ禍で活動を制限された学生が、友達や仲間をつくろうとしているんです。大学生になって様々な価値観を持った人と知り合うことで、世界観は大きく広がります。
でもコロナ禍の学生は、そんな経験ができないのです。人と繋がることができなければ自己理解も深まりませんし、ポテンシャルを伸ばす機会も減ってしまいます。
この課題に対ししるべは、あくまで学生の視点に立つという考えで取り組みました。プラットフォームアプリ「Withtalk」を開発し、学生が他の学生や社会人と繋がれる環境を創ったのです。

―Withtalkはどのような機能をもっているのでしょうか。

高橋 Withtalkは学生を主とした個人が一対一、あるいはグループで情報交換するためのプラットフォームです。情報交換、相談、雑談などをする相手を見つけ、既存のWEB会議システムなどを使って直接会話することができます。
コロナ禍の学生生活は、学校で会ったときに話せば済むような、そんなちょっとした会話さえすることができません。入学してからほとんど登校できず、友達も知り合いもいない学生も多くいます。そんな学生に向けて創ったのがWithtalkです。
すでにベータ型をリリースしており、現在バージョン2.0を開発中です。

 

早﨑 コロナによってオンライン面談など、リモートツールの普及は加速しました。「物流不動産ビジネスで新しい業界を創る」ということは、物流不動産ビジネスをピポットに関わる業界を活性化する必要があります。
Withtalkはオンライン上でコミュニケーションが取れるので、地域はもちろん、業界の垣根を超えて沢山の人たちと出会うことができます。世の中には多くの才能を持った学生と、素晴らしいビジョンを持った企業が沢山あります。それらをつなぐ架け橋をWithtalkが担えればと考えています。

 

左側手前:早﨑、左側手前から二番目:高橋

第2回はDreamshipとロジネスにおける取り組みについてお話しします。
▽次回に続く▽
Coming soon…