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コマーシャル・アールイー▼ロジスティクス事業の強化を打ち出す 

2008年09月03日

 【月刊ロジスティクスIT記事掲載http://www.logi-it.jp/】コマーシャル・アールイー(本社=東京都中央区、甲斐田啓二社長)は長年、培ってきた首都圏での物流施設ノウハウを磐石なものにするため、今夏、神奈川県を中心に物流不動産のPM 事業を展開している天幸総建との経営統合を果たした。これに併せた組織改変を8月1日に実施。ロジスティクス(倉庫)事業への注力化を図るとともに、従来強かった首都圏をベースに九州、関西、中京、東北地方など、ニーズのある地区での物流不動産開発を進めていく意向だ。
 コマーシャル・アールイーは1980年の創業以来、物流不動産を中心に事業用不動産のサブリースを展開。これまで中小規模を中心に700棟以上を手がけてきた実績を持つ。近年では、サブリース事業で培ってきた実績と経験を活かし、物流不動産の開発案件を中心としたAM(アセットマネジメント)事業に進出。不動産投資・不動産ファンドの組成、物件取得・開発からリーシング(PM分野)までをトータルで行える体制を築き上げるとともに、物流不動産ファンド企業が開発する1万坪超の大型ではなく、2000~3000坪クラスの中型の施設を中心に、小回りの利く開発を積極的に展開。首都圏をベースに開発を進め、ブランド力を築き上げていた。
 今回、経営統合した天幸総建は神奈川を本拠に、物流不動産のPM 事業(約1000物件)を展開し、神奈川・静岡の西関東エリアでの強固な地盤を築き上げてきた会社。同社とは2年前より業務提携を図り、今年9月に竣工予定の「CREロジスクエア相模原」では共同開発を行ってきたが、今回の経営統合により、首都圏における地位は、より磐石なものとなった。
 「大手物流不動産ファンド会社のなかにも、自社でPM分野を行えるところは少なく、リーシングの依頼を受けるケースも数多くある。入口から出口まで行えることでの相乗効果は大きく、当社のCREロジスクエアのブランド力を、より高めていきたい」とコマーシャル・アールイーのインベスト事業本部長の井口隆之氏は述べる。
 これまで物流不動産開発を手がけた物件数は14施設、その開発スピードは年々伸びてきており、来年春までには既存含め18施設を建設することになる。
 開発のベースとなる首都圏以外でも、九州地区では「CREロジスクエア鳥洲Ⅰ・Ⅱ」、来年竣工予定の「CREロジスクエア筑紫野」と活発な取組みを行っている。さらにニーズをみながら関西・中京・東北地方などのエリア開発に着手。長年のリーシング実績を活用し、安定収益の見込める形での堅実な施設開発は全国に広がっているところだ。
 ▼組織改変により、CREの強みである物流部門のさらなる強化を打ち出す
 またコマーシャル・アールイーでは天幸総建との経営統合に併せ、組織改変を行った。
 従来、PM事業本部はサブリース事業部とプロパティマネジメント事業部の2部体制となっていたが、これを、倉庫リーシングを行う「ロジスティクス・リーシング事業部」、倉庫施設管理を行う「ロジスティクス・マネジメント事業部」、商業・オフィス管理を行う「リテール・オフィス・マネジメント事業部」の3部体制へと変更。より専門性を持たせた対応が図れるように、アセットタイプ別に組織を改変するとともに、リーシング力を持った天幸総建との経営統合に併せ、リーシングチームを独立させ、仲介事業への強化を図っていく。
 一方、アセットマネジメントを行うインベストメント事業本部については、「東日本投資企画事業部」「西日本投資企画事業部」はPM事業本部の組織改変に併せる形で、「ロジスティクス・リテール第一事業部」「ロジスティクス・リテール第二事業部」へと改称。あらたに不動産市況に迅速に対応した不動産売買を行える「ソリューション事業部」を新設した。
 コマーシャル・アールイーでは、最近の景気動向を鑑み、組織改変に併せ、物流施設と流通・オフィスの事業投資比率を、従来の半々から8対2へと変え、自社の一番強い経営資源である物流分野に集中させるスタンスを明らかにしている。景気動向に左右されにくい物流施設開発で、収益の向上をめざす方針だ。
 ▼長年のリーシング事業に基づいた堅実運用力は見直されている 
 コマーシャル・アールイーでは物流施設開発については、①テナントを先に誘致してからオーダーメイドで開発していく手法、②入居が確実に見込めるエリアについては施設開発を行いながらリーシングを行う手法(汎用性・立地のポイントを外さず開発を進めていく)―の2つを上手に使い分け、収益の得られる施設を開発してきた。
 物流不動産市場全体では、次々と建設が進められているが、地域によっては入居が芳しくないエリアも生まれており、苦戦を強いられている物流不動産企業も現れてきているなか、長年のリーシング力に裏付けられた地に足の付いたコマーシャル・アールイーの堅実運用は、いま見直されてきている。
天幸総建との経営統合を経て、プライスリーダーとしての地位を築き上げつつある、コマーシャル・アールイーの今後の物流施設に果たす役割は極めて重大だ。
▼コマーシャル・アールイーHP▼
http://www.commercial-re.co.jp/