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大成建設▼連続炭素繊維シート複合パネルによる柱部材の耐震補強工法を開発 

2015年08月04日

大成建設は7月27日、成和リニューアルワークスと共同で、連続炭素繊維シート複合パネル(以下、CF複合パネル)による柱部材の耐震補強工法「CFパネル工法」を開発したと発表した。

これまでの柱部材の耐震補強工法では、鋼板や炭素繊維を柱部材に巻き立てたり、コンクリートを増し打ちする方法が用いられていたが、大型重機や専用機械が必要となるため、作業スペースに制限を受ける狭隘な場所での施工は困難とされていた。また、これらの工法は施工に複数日以上を要するため、短期間で施工できる工法の開発が必要となっていた。

CFパネル工法の主な特徴としては、

・既設柱の形状に合わせて自由な形に成形でき、予め工場で製作するため、部材の品質を確保できる。

・1平方メートル当たり10kg程度と軽量なため、搬入・設置が作業で行える。揚重用機材が不要となり、狭隘な場所での施工に適している。

・新たに考案したCF複合パネル現場接合方法の適用により無収縮モルタルを注入するだけで補強が完了するため、従来工法と比べ施工性が向上し、工期も短縮できる。

・従来の炭素繊維シートの巻き立てによる耐震補強と同等の性能を有している。

といった点が挙げられる。例えば、実質的な作業時間が3時間程度の夜間鉄道工事を想定した場合の試算では、炭素繊維シート巻き立て工法と比較して約30%の工期短縮と約10%の施工費のコストダウンを図ることができるという結果が得られている。

大成建設では今後、夜間の限られた時間での施工が必要な地下街や地下鉄、駅舎など鉄道施設の中柱の耐震補強工事、大型重機が使えないような作業スペースに制限を受ける場所での柱部材の耐震補強に積極的に提案していく予定だ。