物流不動産ニュース

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ライフワークは、日本の物流を通じて日本人の長所のアピール 

 私のライフワーク、それは日本の物流の正確さ丁寧さ、ひいてはそれを支える日本人の勤勉さなどの長所を世界にアピールすることだ。福沢諭吉は、「世の中で一番楽しく立派な事は、一生涯を貫く仕事を持つと云う事です」と言っているが、まさしくその通りだと思う。
 私がそう考えるようになったのは、アメリカに留学したことがきっかけだった。また、40年近く毎年欠かさずCouncil of Supply Chain Management Professionals(CSCMP)などアメリカの物流関係の協会へ出席し、アメリカの物流の最新事情を吸収しつつ、日本の物流との比較をしてきたことも大きく影響している。
例えば、外国人を日本の物流現場に案内すると、皆、商品取り扱いのきれいさに驚く。また、盗難の少なさ、物流施設付近の治安の良さにも感心するのだ。日本人が当たり前だと思っていることが、海外の人々の目には賞賛すべき美点に映ることを知って、日本の物流の良さを再確認した。そして、この日本の物流の正確さを支える日本人の勤勉さや几帳面さを世界に伝えたいと思った。
 逆に、アメリカの物流の良さといえば、トラックやパレットなど物流に関する車両、機器のサイズの標準化が進み、効率的な物流が行われていることだろう。日本の物流関連機器、商品はサイズのさまざまで消費者のニーズにきめ細かく応えている。しかし、そのきめ細かさがあだになり、物流施設や案件ごとに機器の仕様を変えなくてはならないなど、コストがかさむデメリットがある。アメリカはさすがコンテナを生んだ国だけあって、スタンダード化が得意。日本にいると商品の種類が多い方がいいように考えるが、効率という点では、サイズが一定のものに決まっているほうが、無駄のない物流が実現すると思う。
 このように日本と海外を比較すれば、相手の良さも分かるし、自国の良さを再確認できる。私は、アメリカ留学や海外の友人との交流を通じて、日本と海外を比較し、日本の良さ、海外の良さをともに学ぶことができた。物流業界の若い人たちにも、そういった機会を持ってもらいたいとの思いもあり、6月から英語による物流不動産情報ポータルサイト「E-SOHKO.COM/ENGLISH」が本格稼動させた。運営は当社が行う。このサイトは、日本最大級の物流不動産情報ポータルサイト「イーソーコ.com」に掲載されている物流不動産に関する情報を英訳し、広く国内外に公開。英語による問い合わせにも対応できる。
 今まで「e-sohko.com」がエンドユーザー、物流事業者、不動産業者などへ日本語できめ細かく提供してきた情報を英語で提供。日本で物流倉庫を探したい、利用したい外国人、外資系企業をメインターゲットに置き、インターネットを通じて、ニーズにあった物流施設を簡単に検索できるようなサイトを目指している。
 このサイトの利用を通じ、海外から日本への投資を呼び込むきっかけになればとも考えている。日本の物流業界の若い人たちの中には、英語や外国人に苦手意識がある人もいるだろう。しかし、勇気を出して前に進まねば成長はない。日本人ならでは長所を大事にしつつ、積極的に海外へ日本の物流の良さを発信し、外国人の日本での物流施設検索をサポートすることで、海外からビジネスを呼び込み、日本経済に貢献していきたいと思っている。多くの人の協力を願うものです。

<プロフィール>
 池田光男 1969年5月米国オクラホマ州立大学大学院卒業後、米国での会社勤務を経て、71年11月東運開発専務取締役、87年5月代表取締役に就任。72年4月東京倉庫運輸社長室長、89年6月常務取締役、91年6月取締役副社長などを歴任し、現在、東運開発代表取締役社長