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理念と戦略の実現 - 第18回 物流不動産Bizの人材開発

 新人の教育や育成はできても、幹部養成が困難であるのはどんな企業にも共通の課題だ。経営者は次期幹部候補として管理職を選出し、特段の期待と関心を持っている。その反面、管理職はあいまいな位置づけで迷っている。取締役に任命されても、業務執行役員のように実質的な<名ばかり役員>では、上と下に挟まれた、損な役割を嘆く者も多いだろう。責任と待遇報酬のバランスにも不安が残る。

 管理職の役割は部下の監視ではなく、経営戦略の実現に当たらなければならない。つまり、経営戦略の現実化にこそ、管理職、幹部の人財開発の目的がある。経験と人望を元にして、経営者の理念を現実化した経営戦略の実現がその使命と言える。

 では経営戦略はどのように成し遂げられるのだろうか。売上やシェアなどの数値目標だけではなく、<事業を通じての社会貢献>が必ず含まれているはずだ。社会への影響をもたらすためには、まず目前の顧客への貢献、顧客満足、顧客支持が無くてはならない。

 経営戦略を実現するためのプロセスは、次のような工程でなされている。これは、キャプラン&ノートンが開発した<経営戦略実現のためのバランス・スコアカード>と呼ばれるものである。

 

 1 組織構成員の学習と成長

 2 業務プロセス改善

 3 顧客満足度の向上(による売上増)

 4 財務の成功としての計数目標達成

 

 これらのステップ以外は経営戦略とは無関係なのである。しかも、各ステップの完成を待たなければ戦略は実現できず、マネジメントは各ステップでの先行指標を捕捉しなければならない。

なぜなら、経営計数は過去の指標であり、結果だからである。売上の利益も顧客満足と業務改善の成果であり、顧客満足の先行指標は何であるかは各社の提供するサービスや財に左右される。

 明らかな顧客満足度は、既存顧客のリピート率、購買額の上昇、各種提案の成約率であることは確実であり、そのための営業アプローチや商談時間などが先行指標として観察されている。

 管理職や経営幹部はこの思考とツールを十分に理解し、実践できなければならないのだ。

 

 業務プロセス改善は新たなサービスを生み出す場合もあれば、既存サービスの迅速化・高機能化・低コスト化なども要素になる。それは新たな設備投資の導入の成果もあれば、既存従業員の学習と修練、習熟によるものもある。これらをして従業員の学習と成長と定めたのは秀逸である。

 

 管理職の人財育成はここに極まり、バランス・スコアカードの導入定着こそが意思決定でなければならないのだ。

 

イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント 花房 陵


国際物流総合展2021