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変わる住宅関連業界 その1 − 第12回 大きく変わる業種・産業界

 耐久消費財の筆頭横綱だった住宅は、バブル崩壊以降苦戦の連続でした。サラリーマンの夢実現は庭付き戸建住宅だったけれども、土地神話焼失によって価格が激減。そもそも通勤に1時間以上の立地でなければ、庭付き一戸建てなんて無理。
 ということから、ペットOKのタワーマンションが大人気になりました。
 それでも、中間管理職になってからの35年住宅ローンの不安は確実に存在していて、雇用形態や勤労世帯の激震が住宅市場低迷に巻き込みました。
 というのは、非正規雇用者の増加と賃金の硬直化、ボーナスのゼロ回答などが長年続いたからです。
所有か賃貸か、というハムレットの悩みは、低金利のせいもあって賃貸派が絶対的に有利。そして、犬小屋がなくても最愛のペットと同居できるなら、賃貸住宅の活況が続いたのです。

 住宅産業は、家そのものを建築する業界とホームファシリティ(インテリア、エクステリア)に分かれます。少子高齢化現象はホームセンター等でのエクステ リア(花壇や植木、家庭大工用品)の好調を支えていて、高級インテリアのカーテン、壁紙、家具調度品は子供部屋へのお買い物で恵まれました。

 デフレ経済とは、賃金と物価の連続低減現象ですが、その経済指標の立役者は耐久消費財の家、自動車、大型家電だったのです。すでに気づいているで しょうが、家電量販店での大型テレビの価格破壊は強烈でした。1インチ1万円からスタートした大型テレビは、すでに1インチ1000円を下回っています。 韓国中国の家電製品ラッシュが値下げ圧力の元でしたが、期待の3Dテレビも不発弾となってしまい、売り場の主力はテレビから掃除機に転換しています。
 住宅も戸建て「550万円で家が立つ!」などという広告が席巻して、低下価格に歯止めが効きませんでした。自動車もエコカー減税効果があって、ハイブ リッドが売れてはいますが、政策停止とともに軽自動車にシフト。若者の自動車離れが目立つようになり、ちょっと株価が上がって輸入車が頑張った程度。それ でもシェアが1%ですから、外車がタクシーに変わることはありませんでした。
 こんな感じで、デフレへの貢献役は耐久消費財だった訳なのです。

 さて、住宅業界はこれからどうする?太陽光パネルブームがピークを迎えて、新築着工が停滞気味ですけれども、人口減、少子高齢化では勝算厳しい時代なのでしょうか?
 実は、家がカウントされる世帯数は人口減少でもそうではない、状況が目立ってきました。世帯数は5100万戸で増減なしの状態なのです。つまり、単身世帯やお年寄りの独居が増えている、異常事態が進行中なのです。
 高齢者世帯を餌食にしたリフォーム詐欺が話題になりましたが、本来のライフスタイルからすれば、世帯主の年齢や家族構成に応じた家のリフォーム需要は確 実に存在しています。バリアフリーのためのリフォームや単身独立してゆく家族の後、ただの倉庫に変わってしまう実家住宅を終の棲家に変えるニーズはあるの です。
 トランクルームが好調なわけは、このような家のリフォームや単身世帯の増加に理由があります。
 首都圏ではペットOKの高層タワーマンションがブーム。近郊ベッドタウンではきちんとした事業者によるリフォーム需要が旺盛です。
 シニアに優しい住宅、健康維持のためのトレーニング機器付き住宅、倉庫化から回避するためのトランクルーム、より駅近でお仕事に便利な単身ワンルームなど、住宅産業の展開は「開発から改造、関連改善・改良へ」とシフトしています。
 
(花房 陵 イーソーコ総合研究所主席コンサルタント)


国際物流総合展2021