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グレー問題の政治力 - 第6回 物流不動産Bizの人材開発

若手マネージャーの決断力はどこで見分けられるか、力量や能力が発揮されるのは答えの分からないグレー問題への対処で発揮される。白か黒か、右か左か、するかしないか、答えのはっきりしている問題対処は、仲間や部下に任せておき、事後報告を受ければ良い。当たり前のことであるが、これができずに、何でもかんでもホーレンソーを待っていては現場は回らず、教育効果も指導成果も上がらない。手取り足取りの教育方法は現場にはふさわしくない。

では、グレー問題に正解はあるのかと聞かれれば、ケースバイケースとしか言えない。その時、その条件下で、最善策かもしくは次善策を選ばねば現場は止まる。止まればやり直ししかなく、スピードが最優先の事態もあるものだ。

 

<どのような判断で決断したのか、想定していた結果やトラブルはどんなものか>

 

これさえ事後説明や検証ができれば、マネージャーの意思決定は合格である。万が一、判断ミスがトラブルになっても、それはさらに上席者が共に責任を負うだけである。

任されているはずのマネージャーとプレイヤーを兼務するなら、停滞や停止を避けなければならない。

グレー問題は関係者が多部門に渡っているはずだ。常に部門間の調整や情報収集を心がけていれば、<判断にはどんな影響が起きるか>の想像がつくものだ。独善はいけない、独断は歓迎できる。意思決定には必ずリスクと影響が及ぶものであり、迷うものだがベストを尽くせば良いのだ。最善策が見当たらなくても、セカンドベストを心がけよう。そして、事後承認や検証によって軌道修正を図れば良い。

 

答えのない判断を求められるのがマネージャーであり、上席者への承認報告や事後承諾を求めるための記憶と記録が欠かせない。日頃から関係他部門との情報交換という習慣があれば、迷いは徐々に減ってくる。過去の意思決定を振り返り、上席者や経営幹部へのレビューを行うことの積み上げが経験になる。

 

 「どうしてそのような判断を下したのか」繰り返し振り返ることで、判断の正確さが培われる。人任せではならない、自らの根拠や情報処理、分析、意思決定のプロセスを記憶することが優れたマネージャーに欠かせない反省力と言えるのだ。これをアクティブラーニングと呼ぶ。

 自らが問題を解決してゆくために学び、振り返り、さらに優れた判断を行うことだ。自分の答えを持たずにホーレンソーを行うことは避けなければならない。

相談してで必ず問われるのは、「君はどうしたいのか、それはなぜか」という再質問があるはずだからだ。

 

イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント 花房 陵