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株式会社しるべ 佐々木英雄 代表取締役-挑戦者に聞く 第1回(前編) 

【対談】人財が日本の未来を創る

株式会社しるべ代表取締役 佐々木英雄
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株式会社イーソーコドットコム代表取締役 早﨑幸太郎

 

景気の回復とともに、氷河期といわれた就職状況も好転しつつある。売り手市場となった現在、企業にとって優秀な人材の確保はむしろ難しくなってきているといっていい。こうしたなか創業した株式会社しるべは、学生に実践型教育プログラムを施すことで自らの道を切り拓く人材を育成し、良質な人材を企業に提供する新たな人材開発プラットフォームを構築している。物流ユーティリティプレイヤーの輩出を目指すイーソーコグループは同社と業務提携を結び、物流不動産ビジネスのノウハウを教育コンテンツの一つとして提供することとなった。

人材を通じた業界の発展について、しるべ代表取締役・佐々木英雄氏と、イーソーコグループの人材開発を担当するイーソーコドットコム代表取締役・早﨑幸太郎が語った。

しるべ対談1-2

【左】佐々木英雄:株式会社しるべ 代表取締役
【右】早﨑幸太郎:株式会社イーソーコドットコム 代表取締役
【撮影場所】co-ba Re-SOHKO 

 

 

学生のうちに学ぶことの大切さ

 

早﨑:佐々木さんは徹底して実践にこだわった人材教育を大学生のうちから行うことで、良質な人材を企業に提供するという活動をされています。具体的にはどのような教育プログラムなのですか。

佐々木:しるべが重点を置くのはビジネスの活動を通じた人材育成、そのなかでもセールスに力を入れています。学生は企業で実際にビジネス活動を行い、売上をだしていくなかで自己実現を可能にするプログラムです。私自身高卒でベンチャー企業に入社し、営業職を経験しました。結果がでず、どん底のような苦しい思いのなかから這い上がり、管理職として数十人の部下を持つまでに至りました。その経験を20歳台前半でできたというベースがあるからこそ、その苦しかった営業の経験を、学生が社会にでるまでに経験させたいと思うようになったのです。他人の人生を変えることはできないけど、自ら変わることはできる。まだ社会に出ていない学生には、そのことを知ってほしいのです。

早﨑:経験の密度もありますが、早くからそういう意識を持っていると成長の速度は違いますからね。例えば我々の物流不動産ビジネスにしても、学生には物流のイメージがわからないんですよね。でもみんな何か買ったり、着たり、食べたりしている。その全てに関わる物流インフラはとても大切なのですが、日常生活でそこまで意識することってないですよね。しかも物流は3K(キツイ、危険、汚い)といわれ、評価基準も加点主義ではなく減点主義なんで、みんなチャレンジをしようと思わない。ミスしたら駄目という世界では、消極的になってしまい、なかなか夢を持てません。こうした社会の現実を学生に伝え、育てていくのは大変ではありませんか。

佐々木:私は現場に答えがあると思っていて、自分が現場で行動している姿、やっている姿を見せることで、学生に「やれば結果がでるんだ」「あそこまでやらなければ結果はでないんだ」という意識を持ってほしいと考えています。例えば何かで集まっても、端っこにいるタイプと、真ん中でわいわい楽しくやれるタイプとがいますが、実は端っこにいるタイプも本当は真ん中で楽しみたいんです。であれば、真ん中にでてきやすい環境、当社でいえば、学生が来たくなる場所を整えることがまず必要です。どんな学生が来ても、自己実現につなげられるような環境をつくっていかなくてはなりません。しるべ対談6-2 しるべ対談4-2

 

 

人を育てれば業界が盛り上がる

 

早﨑:イーソーコグループがすすめている物流不動産ビジネスは、物流だけではなく不動産、建築、金融、ITと、幅広い知識とノウハウが必要なのですが、実は物流に基軸を置いていて、物流を理解した上で、荷物を預かったほうがいいのか(寄託)とか、賃料をもらって貸した方がいいのか(賃貸)とか、若い時からいろいろな経験を積むことで視野が広がって、提案力もついていきます。他業種の経験を積んだプレイヤーを育成することで、いずれは悩みを持つ物流企業にイーソーコで育成したスタッフを派遣して、将来的にその会社を背負う人材として転籍させることも考えています。 

佐々木:それはやはり、イーソーコだけでなく業界全体を盛り上げたいという気持ちから。 

早﨑:もちろんです。よくも悪くも長く続いている業界なので、変化に慎重な倉庫オーナーが多いのです。その解決策として、人を採用したり育てたり、そういう部分をサポートしていきたいですね。業態改革が出来るのは物流ユーティリティプレイヤーだと思っていますので。 

佐々木:業界にとどまるような人材を生み出そうということですね。しるべも、人材を社会に出したいと考えていて、一社に留まってもらおうとは考えていません。自社に留まらないかもしれない人材にコストをかけるというのは、企業にとってよくないように思われます。でもそれが業界で役立つ人材なら、結果として全体のためになります。それがイーソーコさんが生み出した人材なら、イーソーコさんは今後も業界から必要とされる企業として発展していけるのではないでしょうか。しるべは、社会にでる前の人材の教育の難しさを、一人一人と向き合うことでやっていきたいのです。企業が本業のかたわらそういう教育を施すのは簡単ではありません。しるべなら、それを徹底的にやれます。その結果、 1割でも2割でも物流業に興味のある学生がでて、そのまま業界に残ってもらう。私たちの仕事はその手伝いだと思っています。

しるべ対談3-2

 

後編へつづく)

 

▼対談の様子(動画:40秒)