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【岩瀬純子 新社長インタビュー】丸新運輸がLISに社名変更、物流不動産ビジネスで収益アップ 


丸新運輸は8月1日、社名を「株式会社LIS」(リス)に変更、社長に岩瀬純子氏が就任した。同社は運送会社ネットワークによる「全国輸送から緊急チャーター便」まで、印刷物・販促品の梱包発送・発送代行、一時保管から出荷までの検品・発送、イベント什器の保管・発送などで事業を発展、2019年10月にはイーソーコと資本・業務提携、物流不動産ビジネスを取り入れるなど、業務改革を推進する。新社名となったLISを牽引する岩瀬純子社長に熱い思いを語ってもらった。

--社長就任の意気込みを。
丸新運輸は東京・港区新橋で1950年に設立しました。会社創業時は 秩父セメント様の貨物運搬をメインで担っていました。当社は創業以来、周辺環境にも配慮し地域との調和を保ちながら、「社会インフラの一部である運送事業を支えていく」ことが重要な使命であるという自負のもと、事業を営んでまいりました。

「LIS」とは初代社長・岩瀬泰夫が提唱した「Lady’s Industrial Service」を起源としています。物流業界にも女性が活用する場をつくりたいという思いから発足させた女性のドライバーチームで、そこから「リス便」という名称と、「木の実を運ぶリス」のロゴマークが誕生しました。

前社長の岩瀬和夫は、時代に合わせて「LIS」に新たな意味を込めました。L・I・Sの3文字から「Linkage & Legit Intelligent Service=連携による本物の付加価値サービス」という経営理念を策定し、当社を物流・運送に限らない頭脳集団へと変革させ、そのネットワークを築き上げるという取り組みです。その理念は、今日まで続く「MINATO LIS EXPRESS」のブランド名に残っています。

          岩瀬和夫会長
「LIS」という言葉をアイデンティティとして、時代に合わせてその意味合いを変化させながら、私たちはともに歩んできました。

この度、私が3代目として代表に就任し、新たな取り組みをスタートさせています。新旧メンバーの融合です。ベテラン社員が持つ物流の知識・技術・経験則、若手社員が持つITの対応力・柔軟性や素直さというそれぞれの強みを活かし、掛け合わせていきます。お互いにリスペクトしながら得意な分野の知識をシェアし、助け合い、力を合わせることで、「TEAM LIS」として他社に負けない物流会社に成長できるものと考えています。

また、運送業を基軸とした物流不動産ビジネスへの参画をより推進します。その一環で、物流不動産ユーティリティードライバーを育成します。


全社員を招集して開かれた「新ビジョン説明会」で社長交代を発表(2021年4月)

--岩瀬会長はリニューアルした新会社をどのように見られているのか。
言われたのは「過去の輸送体系、物流スタイルでは継続できない。現在のニーズに合致した物流の提案ができるような会社に育ててほしい」ということと、あとは「頑張りなさい」くらいですかね(笑)。

--家業である物流は幼少時、どのようなイメージだったのか。
荷物が重そう、大変そう、ほこりにまみれて汚いなど、実はよいイメージは全く持っていませんでした。実家は社屋から自転車で通える距離にありましたので、小学生の頃によく父にお弁当を届けに来ていました。

また 繁忙期には、家族全員で父の応援に駆けつけました。母が経理の手伝い、私と弟は 父の横で現場のお手伝いというか、お邪魔をしていました(笑)。飼っていた猫もよく連れていきましたが、ただ倉庫内をウロウロしていただけで、猫の手も借りたいという思いは通じなかったみたいです(笑)。

--丸新運輸に入社した時の感想は?
社会人としてデスクワークの仕事を経験して、結婚・出産を経て、2014年に丸新運輸へ入社しました。「どうせ社長の娘だから」「いいから、座ってて」と言われ続けたスタートでした。それが心底悔しくて、「いやいや、私は本気だよ」とずっと思っていました。言葉では伝わらないことは理解していたので 、自分の姿勢を見て解ってもらおうと行動していたことを憶えています。正直、今までとは全く畑違いの仕事で、体力的にキツイことが多かったです。

数年経ち、周りの社員にも認めてもらえ、仕事を任せられることが増えてきました。私は興味を持つとのめり込むタイプ。新しい世界の仕事がとても面白く、楽しく 配車マン兼ドライバー兼営業マンと3役で業務をこなし、出先の待機時間はノートPCを使って仕事をしていました。理解できることが嬉しくて、仕事への没頭度は高かったです。忙しかった反面、今思えば、本当によい経験を積み重ねることができましたし、濃い時間を過ごせたなと思います。

--貴社の事業の中枢となる物流不動産ユーティリティードライバーの定義とは?
当社ドライバーは得意先様に出入りした際、「信用」という大きなアドバンテージを持っています。そこで得ることができるのは情報です。物流不動産ビジネスにつながるさまざまな情報をキャッチして、営業につなげていくスキームが物流不動産ユーティリティードライバーです。

お客様との付き合いが長く、お話をする間柄だと得られる情報は宝の山ばかり。入手した情報はタブレットやスマートフォンを活用して、リアルタイムでイーソーコグループに発信、その後ドライバーとイーソーコグループの営業マンがタッグを組んで営業活動を行います。

--イーソーコグループは、これまでどのような形で貴社を支援してきたのか。
物流は繁閑の差が激しい業界です。繁忙期、社内のマンパワーでこなせない時、イーソーコグループから物流不動産ユーティリティープレイヤーを派遣してもらっています。「○日○時に何名お願いしたい」と、男性・女性、持ち物などの属性を要請すれば、人財窓口の方が最適な人財を選択、当日現場に駆けつけてくれます。

当社では3か月ごとに大きな案件をいただき、営業用パンフレットの流通加工業務、全国発送業務を請け負っています。それ以外でも仕事量の波動に合わせ、定期的に支援してもらっています。イーソーコグループの人財は、専門教育を受けたプロばかりですので、安心して仕事をおまかせしています。

--トラックのラッピングについて。
イーソーコグループ内のコラボレーション企画により、トラックに大きな物流不動産ビジネスのロゴのラッピングを施しました。このトラックが広告塔となり、全国を走り回ることで物流不動産ビジネスの業界化を加速します。箱には「MINATO LIS EXPRESS(LIS)、TOUN(東運ウェアハウス)」の両社のロゴも入っています。デザインのベースは私の案を採用いただきました。

岩瀬純子社長発案のLISトラック

-- 社屋の建て替えも控えているが
2025年に竣工予定で、現在の社屋を多目的倉庫「Lis Terminal」に建て替えを行います。併設設備として、コインランドリーやランナーズステーションの設置を考えています。港区海岸エリアはひとり暮らし用のマンションが多いのですが、大型洗濯機を設置することができません。洗濯物を干す際にも排ガスの影響や、マンションによっては美観が悪くなるとのことで干せないところもあります。なので、近隣の方が便利に感じて頂ける施設を目指します。

また、車庫スペースをマルシェ(市場)として開放する構想もあります。トラックを停めているスペースを有効活用し、土日の車出入りが少ない日を対象にお野菜などの商いの場として使ってもらえればうれしいですね。当日トラックはイーソーコグループの駐車場をお借りできればいいなと思っています。このエリアは富裕層が多い割に、新鮮なお野菜、果物などの生鮮食品を売っているお店がありませんので、近隣の方に喜んでいただけるかと思います。

--今後の展望について。
チャレンジしてみたいこと、するべきことは多数ありますが、私に課せられた最大の使命は収益性を上げることです。イーソーコグループの大谷巌一会長にご指導を仰ぎながら、物流不動産ビジネスをさらに強化していき、成長戦略の核にしていきます。そこで欠かせないのが第一線で活躍する物流不動産ユーティリティードライバーの人財育成が重要だと思います。

運送事業は現状のスタイルをゼロベースにして、再構築していきます。既存のお客様は大事にすることは当たり前ですが、時代に即した運送スタイルを確立していきたいです。

運送事業と物流不動産ビジネスの両輪で収益を伸ばし、5年以内に売上高10億円を目指して、これからチャレンジをし続けます。