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キャスタリア株式会社 山脇智志 代表取締役ー挑戦者に聞く 第2回(前編) 

【対談】IT×教育で、世界を変える人財を創る

キャスタリア株式会社代表取締役 山脇智志
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株式会社イーソーコドットコム代表取締役 早﨑幸太郎

 

おおむね10年単位で変化するといわれている日本の社会構造。しかしその教育システムは、近代化以降ほとんど変化していないといっていい。変化の激しい社会を生き抜くためのシステムが、果たしてこのままでいいのだろうか。

有益な教育プログラムを魅力あるコンテンツとして提供し、従来型教育システムの課題解決に取り組むキャスタリア。同社はITのもつ汎用性にいち早く着目し、教育と融合させることで社会問題をも解決しようとしている。キャスタリア代表取締役・山脇智志氏と、人材教育を通して物流業界の業態改革に取り組むイーソーコドットコム代表取締役・早﨑幸太郎が、ITと教育を語る。

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【右】山脇智志キャスタリア株式会社 代表取締役

【左】早﨑幸太郎:株式会社イーソーコドットコム 代表取締役

【撮影場所】co-ba Re-SOHKO

 

 

教育×ITで社会問題を解決する

 

早﨑:貴社はIT向け教育用プラットホームの開発を本業とされています。いわゆるeラーニングと呼ばれる領域ですが、これはPCやスマートフォン、タブレット端末などの普及とともに拡大が図られています。時と場所を選ばず、学びたいことを自身のレベルに合わせて学べるということもあってビジネス的な注目度も高く、コンテンツも増えてきました。従来型の教育を大きく変える可能性をも秘めた分野ですが、貴社がこうした事業をはじめられたきっかけはどこにあったのでしょうか。

山脇:当社の特徴は、eラーニングのなかでもモバイルに特化したシステムの開発・販売をメインとしている点にあります。モバイル機器にもいろいろありますが、そのなかでも当社はスマートフォンに絞ったシステムの開発を行っています。当社の取り組みを一言でいえば、そのモットーでもある「教育×ITで社会問題を解決する」という言葉にあらわれていると思います。とはいえ私がもともと従事していたのは教育ではなく、音声コンテンツのアグリゲイト(卸し)事業がメインでした。今は音楽をダウンロードして聞くようになりましたが、実は音楽以外のコンテンツ、例えば講演やラジオドラマなどを配信したいというニーズがかなりあります。しかし現実には音声コンテンツといえばほとんどが音楽です。その非対称性を解消したいというのが、コンテンツ配信事業をはじめたきっかけでしょうか。

早﨑:IT関連、それも音声コンテンツから教育への転換というのは少し異色の感じがします。なぜ教育に取り組もうと考えられたのでしょうか。やはり既存の教育に問題を感じて。

山脇:それもありますが、ニューヨークで事業をしていた時の経験も生きています。ダウンロード用のコンテンツを配信する企業5社と契約して音楽以外のコンテンツを配信していたのですが、そのなかで誰でも聞くモノ、絶対に誰でも買うモノは何か、突き詰めていった結果たどり着いたのが「教育」です。では教育専門のポッドキャスト紹介サービスをつくろうということで、日本に帰ってきてから今のサービスをはじめました。

早﨑:貴社の代表的なプラットホームである「Goocus(グーカス:www.gooc.us)」はスマートフォンで使用することを前提としています。これもeラーニングのなかでは特徴的ですが、昨今は音楽をはじめゲームや映像などのモバイル向けコンテンツが非常に多くあります。こうしたなかさらにニッチともいえる教育に特化するというのは、ビジネス的には英断という気がします。

山脇:教育はいろいろな経験をした結果選んだカテゴリーであって、実は様々な要素を含んでいるのです。コンテンツを発信するという点で、これまでの経験も生かせます。私は大学卒業後、ニューヨークに留学して、その後ロサンゼルスの日本語のラジオ局に入局しました。しかしその経営が芳しくなく、ニューヨークに戻って新聞社に勤めた後に知人とIT会社を立ち上げ、今度はそこで5年ほど活動しました。取引先の多くが日本の企業だったこともあって結局は戻ってきましたが、当初はアメリカに骨を埋めようと思っていました。ビジネス的なことをいえば、2005年ごろ、アメリカで上場するには35~40億円くらい必要でした。それが当時の日本では2~3億円で上場できる。ならば日本で上場を目指そうと。

早﨑:では起業した当時から上場を夢見て。

山脇:はい、当時は。それだけが会社の成長の方法ではないと思いますが、今ではベンチャーキャピタルから資本が入りましたので、責務になりました。

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モバイルラーニングが日本の教育を変える?

 

早﨑:貴社が取り組まれているeラーニングは、拡げていくのが簡単ではない分野です。物流業界でもいわれるのですが、一般的に情報に対するリテラシーはまだ高くなく、なかなかITが普及しません。いいコンテンツをつくっても受け手に響かないというか、一般化するためには何らかの施策が必要だと感じているところです。

山脇:我々はeラーニングのなかでもスマホをつかった“モバイルラーニング”に特化しています。eラーニングが普及しない原因のひとつは、PCをベースにしているからだと考えています。コンピューターを通していればいいだろうという発想からくる発展性のなさ。学習者に対し「やりたくなければやらないでいい」という造り方で、いわば教育する側の都合で作られているわけです。でも、例えば自分ではPCを買わないような人たちもスマホは持っていますよね。だったらみんなが持っている端末を使って、みんながやりたくなるようなコンテンツを作っていこう、と。そういう方法を広めていきたいと考えています。

早﨑:物流業界でも、PCの苦手な人でもスマホは持っていますね。

山脇:これまでの教育は、教える場所と教える人と教科書が必要で、ノートに書いて紙のテストで確認するというスタイルでした。これはもう100年くらい変わっていません。でも、10年前と今でさえ、社会は変わっています。こんなに社会状況が変わっているのに教育が変わっていない方がおかしいのではないでしょうか。例えば私は若い時から本に対するある種の信仰があると言えるほど好きなのですが、若い人はグーグルで検索して、ウェブメディアやブログなどが知識を得る方法となっているでしょう。そういう知識の取得スタイルが当たり前になっている世代に「この本を買って読め」といっても無理です。そうではなくて、彼らが慣れている方法、例えばスマホを使ってゲームのように面白く学習できるような方法でやればいいのではないかというのが、スマホに特化した理由の一つです。知ってほしいことを知ってもらうために大切なのは、媒体ではありません。結果として知識を得られることが大切です。世界の人口は70億で、携帯端末の契約数もそれに近づいています。情報通信はどんどんモバイルに移行しており、それでしか情報を得られない人もいるのです。だから我々はスマホをはじめとするモバイル端末に特化しているのです。

早﨑:年配の方にはスマホが不得意な人もいるかと思いますが、そうした方に向けた施策は。

山脇:結論からいえば、年配の方も使いやすいものを目指しています。年配の方でも情報端末に接する機会は多くあり、リテラシーもあります。PCは個人のスキルによっても機能によってもできることが違ってきますが、スマホは基本的な機能は同じで、スキルによる差もありません。字を大きくして見やすくするなどの対応は必要ですが、基本的な内容はどの世代でも同一で大丈夫だと考えています。

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(後編へつづく)

 

▼対談の様子(動画:68秒)


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