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CRE戦略と物流不動産▼第3回CREにおける物流不動産の位置づけ

 CREとはCorporate Real Estateの略ですが、単に英語表記に変えたわけではなく、「企業不動産の活用状況を見直し、経営の資源として再認識する事」を啓蒙しようとする背景があります。企業不動産には本社屋、従業員社宅、工場、倉庫、駐車場、および遊休地として放置している土地建物などがありますが、従来はその取得や運用において、その都度対応という管理や評価しかして来ませんでした。

 そのような考えの元に企業不動産は、昨今の低金利や土地価格低迷の影響を受けて企業リスクの大きな要因にもなっています。つまり企業資金の凍結であったり、高利回りが期待できる資産の放置や隔離です。さらに価格の値下がりによる減損会計処理や土壌汚染などの顕在化による風評被害などです。物流活動における不動産も倉庫や配送センター、駐車場および他社に提供している物流物件として、自社の経営資源として厳しく再評価されてきたことは無かったと言えるでしょう。新規倉庫用地の取得においても、仲介業者からの営業活動や地場相場からの比較という都度対応、その場限りの意志決定において取得等がなされてきました。

 今、物流活動の成否が企業業績に及ぼす影響の大きさを振り返ると、物流に不可欠な拠点施設等の不動産をどのような位置づけで企業経営の舵を取るか、という重要な局面にあると言えます。

 土地価格の傾向予測、金利動向、自社のキャッシュフローポジション(増減配慮)、事業用不動産の所有と賃貸借契約への切り替え、および再取得など、CRE回りの外部要因や意志決定には多くの要素が存在しているのです。都度対応やその場しのぎではなく、経営の根幹に関わる事業として専門部隊の配置や経営意志決定のシステム化などが求められます。

 何よりCREが無ければ始まらない生産活動や流通活動、物流活動では所有か賃貸借か、その価格と契約条件は、その形態の変更はいつまでなのか、などの検討課題が生じているわけです。

 CRE戦略での考慮すべき手順、ステップ、代表的な検討課題の一覧、不動産管理の手法技術や情報システムなどの広範囲にわたる知識を網羅したものが『CRE戦略構築のためのガイドライン』です。ガイドラインを修得することにより、不動産の見方や活用の視点が大きく転換することになります。相場や価格ではなく、不動産のもたらす経営的な効果視点で取得や利用の方法論が分かれるのです。安い倉庫から利用価値の高い倉庫へ、物流が企業戦略の手段として再評価を行うためにも、CRE手法が重要な役割を担っているのです。
(イーソーコ総合研究所・主席コンサルタント・花房陵)

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