物流不動産ニュース

物流、物流不動産、倉庫を網羅した
最新ニュース・情報を発信しています。

  • メール会員情報変更
  • メールマガジンバックナンバー
  • ニュースメール配信登録

床沈下を「営業を止めずに」修復可能▼ウレテック工法 

2008年11月03日

 【物流ウィークリーhttp://www.weekly-net.co.jp/】「コンクリートを打ち替えるしかない」と諦めていた事業者に朗報だ。ウレテックジャパン(川口太社長、東京都江戸川区)の「ウレテック工法」は、沈下した倉庫の床を「営業を止めずに」修復することができる。韓国・金浦空港への導入をはじめ、着実に施工実績を伸ばしているという同工法について、川口社長に話を聞いた。
 大型ラックを設置した倉庫床は、使用年数が長くなると「たわみ」や「沈下」「傾き」などの現象が発生する。そうなると、通路を走る自動搬送機が走行不能になり、棚の上段が使えなくなるなどの弊害が出てしまう。
 このような場合、「従来は、コンクリートを打ち替えるのに3―4週間の工期を必要としていた。当然その間、荷物を移動させなければならないため、仮置きのコストも発生する」という。
 同社の提供する「ウレテック工法」は、床に1円玉サイズの小さな穴を開け、そこから床下に膨張する特殊な素材の樹脂を注入。樹脂の膨張力により、ゆっくりと床を持ち上げるというものだ。樹脂の選択や注入方法の組み合わせにより、「ミリ単位で調節できる施工精度」を持つ。
 100―200平方m程度の広さなら、荷物を置いたまま、一晩で施工が可能。コンクリート打ち替え工事のように騒音が発生することもなく、「夜間の施工にも適している」。粉塵も出ないため、養生の必要もない。
 「ポイントは、営業を止めずに施工できるということ」。稼働を止めるどころか、床沈下のせいで使えなかったエリアや棚も復活させることができるため、「倉庫の稼働率を100%に蘇らせることができる」と同社長は自信を見せる。
 また、稼働率だけではなく、「従業員の安全」という観点から依頼してくる事業者も多い。「万が一、地震が起きた場合の危険が大きくなる」「フォークリフトが勝手に動き出す」など、沈下したままの床には、トラブルの種がたくさん潜んでいる。これまでは、コンクリートの打ち替えや建て直しをしなければ元に戻らないと思い込み、放置したままの事業者も多かったが、労働安全の確保が叫ばれるいま、同社へのニーズの高まりは当然のこととも言える。
 施工は全国的に展開。費用は1平方mあたり8000円から。まずは現地調査(費用は1万5000円プラス交通費)を行い、床下の状況を把握する。「この工法が合う現場ばかりとも限らない。打ち替えをしなければならないものもある」とし、その後の倉庫の用途なども踏まえた上で、同工法が適した場合には見積もりを提出。打ち合わせ後、施工となる。
http://www.weekly-net.co.jp/tnews/cat14/post-3177.php