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大林組▼自動倉庫の地震時での荷物落下防止技術を実用化 

2012年04月26日

【LNEWS(http://www.lnews.jp)】
 大林組は4月12日、地震時に立体自動倉庫における荷物の転落災害防止を目的とした連結制振構造を実用化したと発表した。
 制振技術であるデュアル・フレーム・システム(DFS)の原理を用いたもので、建屋の屋根材とラックの上部とを制振ダンパーで連結する。
 剛性の大きい建屋と剛性の小さいラックを制振ダンパーで連結することで、制振ダンパーが建屋とラックの揺れの違いを吸収するため、それぞれの揺れを小さくすることが可能となる。
 試設計した例では、採用しない場合と比べてラック頂部の揺れを地震時の応答加速度レベルで約3分の1程度に低減することが分かった。
 このシステムを採用することで、ラックからの荷物落下を防止するだけでなく、建屋とラック自体の耐震性を同時に向上することが可能となる。
 新築倉庫の場合、通常の免震構造と比べて約15%のコストダウンで、導入可能で、既存倉庫の場合では、新築時建設費の約20%~40%の改修コストで設置できるという。
 立体自動倉庫は1980年代以降急速に普及し、あらゆる産業分野で導入されているが、構造上、大きな地震の際に荷物が落下しやすいという指摘がある。
 加えて、被災した際の復旧にも時間がかかるため、震災時に国内の物流機能に大きな影響を与えかねない。
 こうした事態を防ぐために、立体自動倉庫の地震対策として、建屋全体を免震化する免震倉庫や、ラックそのものを免震化する免震ラックなどの技術が開発されているが、コスト高のため実際に採用される例は少ないという。
 この技術は新築時だけでなく既存の立体自動倉庫への適用も可能で、既存倉庫へ適用する場合、倉庫の形態、敷地の空きなどの条件によりさまざまな改修方法があり、状況に応じて倉庫機能を短期間休止して施工する方法や、倉庫機能を維持しながら施工する方法が適用できるという。