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丸運▼12月、羽田京浜物流センター稼働へ 

2012年12月03日

 【輸送経済(http://www.yuso.co.jp)】
 丸運(本社・東京、市原豊社長)は12月1日、都内大田区京浜島に同社最大となる「羽田京浜物流センター」を本格稼働する。湾岸部の拠点だった品川支店と東京共配センターを集約し、業務を効率化。首都圏での保管・配送・流通加工を含めた業容拡大を図り、輸出入貨物や国内航空貨物などにも対応する。
  
 同センターは平成22年秋に着工し、ことし10月に完成。所在地は東京都大田区京浜島2-6-1。羽田空港や首都高速湾岸線、京浜トラックターミナル、東京貨物ターミナル駅など物流の要衝に近い。「輸入貨物の保管・輸配送を最大の主眼にしており、羽田空港の国際化もにらみ、全ての荷物に対応できるような立地」(石戸信二羽田京浜支店長)。
 営業車両約30台を保有。積載荷重5トンの貨物用エレベーター2基、同1.5トンの垂直搬送機(ホクショー製)3基を設置。同2.8トンの天井クレーン3基を備えた低床ホームも設けた。高床式ホームにはドックレベラー9基、昇降機1基を備え、海上コンテナの積み降ろしも可能。
 保管可能な約1万5,000平方メートルのうち、約1,300平方メートルの定温倉庫(10度)を整備。12月には約1,500平方メートル分、保税蔵置場の許可を取得する。
非常時備え自家発電設備も
 環境対策として、館内ほとんどの照明にLED(発光ダイオード)を採用。「4割以上の消費電力が削減できる」(石戸支店長)。屋上には、使用電力とCO2(二酸化炭素)排出の削減を図り、出力20キロワットの太陽光発電設備を設置した。
 災害対策も万全。海抜7メートルに立地し、鉄筋コンクリートの柱と鉄骨の梁(はり)からなる「RCSS構造」。60本以上の基礎くいが地盤から施設を支える強固な設計を施した。災害時の事業継続を考慮し、非常用ディーゼル発電装置と950リットルの発電用燃料が充填可能なタンクも設置。非常時は「約8時間の連続運転が可能」(石戸支店長)という。
通過型貨物開拓も図る
 セキュリティー面では、館内に25台の防犯カメラを取り付け、1階事務所のモニターで管理・記録できる体制を整備。出入り口9カ所にカードキー対応の電子錠を設置した。
 同センターに集約した品川支店、東京共配センターでの既存業務をすでに開始。今後、既存を含め主要顧客5社の業務を行う予定で、「来年2月までに3分の2が埋まるめどがついている」(同)。コピー用紙や食品添加物、主要顧客であるJXグループのガソリンスタンド用制服などを扱う。
 「新規案件獲得を図る施設として、国内だけでなく国際貨物を多く取り込み、主流となっている通過型貨物も開拓していきたい」(塚野秀之常務執行役員)。(水谷 周平)