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セイノー、福通が提携▼両社の問題意識が合致 

2013年04月03日

 【輸送経済(http://www.yuso.co.jp)】
 セイノーホールディングス(本社・岐阜県大垣市、田口義隆社長)と福山通運(同・広島県福山市、小丸成洋社長)は3月12日、商業貨物の配送共同化、災害時の協力体制構築を柱に業務提携を結ぶことで基本合意した。災害発生時の対応力で両社の問題意識が合致。特積みの〝ライバル同士〟が手を結び、両社の全国ネットワークを共用。平常時・異常時問わず、全体最適を生む協力体制構築を目指す。
    
 田口社長、小丸社長はそれぞれ岐阜県、広島県トラック協会長を兼務。交流を通じ、事業環境への危機感や東日本大震災を教訓とした災害対策で両社長の問題意識が合致。昨年12月から提携への協議を始め、今回合意に至った。資本提携については「考えていないが、業務提携だけでも大きな効果はある」(田口セイノーHD社長)。
配送共同化4月以降に動き
 配送の共同化は、企業間物流をメーンとする共同一括配送サービス「エコデリバリー」として取り組む。「コラボデリバリーの商業物流版」(田口社長)。両社が扱う同一配送先の貨物を集約し、一括で配達する仕組み。通い容器やパレットの回収も共同で行う。
 例えば、両社の車両2台で同一配送先に配達していた場合、2台分の貨物を1台に集約して配達。荷受け作業の負担軽減や荷待ち解消、車両の積載効率や運行効率を向上させるイメージだ。「顧客へのメリットを生むとともに、両社にとっても無駄な作業の削減につながる」(小丸福通社長)。
 効率化による顧客の販路拡大、環境負荷低減や道路渋滞の緩和、交通環境の改善を図る大きな狙いもある。
 今後、エリアごとに配送先の立地や倉庫の状況などを両社で情報交換を進め、顧客のニーズを抽出。4月以降、取り組みを具体化していく。
災害時インタンクなど共用
 両社は、大規模災害発生時の機能継続、早期復旧機能の確立を図り、相互協力体制を築くための企業間協定も結んだ。
 災害発生時、両社に「相互協力本部」(仮称)を立ち上げ、物流施設の融通や作業人員の応援、被災従業員への社宅提供などで相互に協力。災害・道路情報も共有する。
 燃料確保を図り、両社が持つ全国340カ所(7800キロリットル貯蔵)のインタンク(自家給油施設)を相互利用。円滑な救援物資輸送体制につなげる。平常時の防災訓練も共同で行う方針だ。
 「創業以来、互いに切磋琢磨してきた」(小丸社長)両社。歴史ある特積み〝強者〟2社の提携は極めて異例で、特積み業界のインパクトになることは必至。
 地域・社会への貢献を前提に、経営資源を共有して同じ課題を克服し、将来へ生き残りをかけようとする両社のビジョンが明確になった形だ。
両社長が語る提携の「狙い」
小事捨て大事に尽くす セイノーHD 田口 義隆社長
 提携のポイントは「全体最適」。従来の競合を超えて「新しいシーンをつくろう」ということで手を結んだ。物流業界の次の方向性へのファーストステップを踏んでいく。
 各社で独自最適を求めて効率化を図っても、大きな力は出ない。自社のことだけを考えず、日本のインフラ基盤を担う存在として、「小事を捨てて大事に尽くす」ことが重要だ。
 2年前の震災で「重要なインフラとしての責任感」を感じた。日常業務でもより効率が求められていることも痛感した。
 当社と同じく全国にインフラを持つ福通さんとタイアップすることで、集中して被災地支援に向け力を発揮することができる。提携により、効率が良く有事にも強い、日本の新しいインフラ構築を目指していく。地域・社会そして顧客のためになる全体最適のサービス提供を通じ、日本の「底力」と物流業界の地位向上につなげたい。
「争い」越え価値向上を 福山通運 小丸 成洋社長
 平成2年の規制緩和以降、事業者数の増加で需給バランスが崩れ、競争が激化。労務改善や安全対策、CO2(二酸化炭素)削減など社会的責任の遂行も厳格に求められている。
 多くの課題解決や地域・社会にどう貢献するかは、われわれトップが考えなければ。「人に優しい社会」「豊かな暮らし」を実現することが両社の使命。ドライバー不足も不可避の課題。提携には労働環境を相互に改善する狙いもある。
 セイノーさんも素晴らしいノウハウを持つ。互いに生き残れる持続的成長が可能な企業体質にするには「争い」を越え、重複するインフラを集約し、相互の良い所を見習うことも重要。最適な物流システムを構築し、不測の事態にも助け合い、地域・社会や顧客に貢献する。最適なサービスを通じて高い評価をもらい、ともに企業価値を向上させたい。(水谷 周平)