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キーマンに聞く 第19回目
国土交通省
尾関良夫政策統括官付参事官

 昨年11月に政策統括官付参事官に就任した尾関良夫さん。担当は物流施設・複合物流。物流について常に考え、知恵をめぐらす。特に、今後の物流の中で、物流効率化と環境は切っても切り離せない。その中で、実際に物流を切り盛りする物流企業と、現場となる物流施設の役割は大きい。国交省として、物流にどのような対策が取れるのか、物流効率化法への考え方や、外資系ファンドの進出、環境への対応などについて聞いた。

尾関良夫氏
<写真・尾関良夫政策統括官付参事官>

 ―物流効率化の政策立案を中心に行っている。

 尾関 物流は、社会のインフラとして重要。そのなかで、まだまだ効率化できる部分は多い。今は、どういった形で行うのが物流の効率化にいいのか、勉強しているところだが、いろいろとやれそうな気がしている。特に、人口減少で、物量は減っていく。そのなかで、物流の形も変わっていかないといけない。100点の答えはなく、常に状況に合わせて、物流の仕組みを改善していく必要があると思う。

 ―効率化といえば、物流効率化法。大型物流施設の役割も大きいでは。

 尾関 現状、物効法の認定は137件。CO2の削減量で見ると、認定を受けた事例は排出量が半分になっている。効果は大きい。分析していくと、物流施設の重要性を再認識させられる。認定を受けた事例が利用している物流施設の平均面積は、1万6千㎡。集約などによる横持ち輸送の削減といったCO2削減事例が多い。そういった意味では、効率化を考える上で、大型物流施設は必要な一つの要素ではある。

 ―一方で、大型施設は供給過多という見方もあるが。

 尾関 それは一つの競争の形だと思う。以前は、物流施設は「自社で持たないといけない」という考えがあった。その中で、「物流施設を貸すことに特化する」という独自の物流ビジネスの姿を作り、物流企業のニーズを捉えたのだと思う。現在では、物流施設を賃貸借する“物流不動産ビジネス”も十分に認識されている。物流企業のノンアセット型というのも、当たり前になってきた。荷主に合わせた物流を作って行く中で、施設をどのように組み込んでいくのか。そのスキームの中に、賃借物流施設が一つの選択肢として定着している。

 ―そういった流れのなか、相模原ではプロロジスとキリン物流の共同申請で物流効率化法の認定を受けた。

 尾関 ファンドの物流施設を利用した物効法の認定は、現状では、なかなか難しいのは確か。大型施設が物流の効率化に重要なのは認識しているので、そこをなんとかしたい。

 ―物効法以外で注力していくことは。

 尾関 力を入れているのは、環境と国際物流。環境は、物流効率化とも密接に関係してくる。国際物流では、ASEANや中国、インドとの関係強化が必要であり、日系企業の要望などを聞きながら各国政府との話合いも行っている。

 ―環境というと、改正省エネ法の動向が気になる。

 尾関 現在は、一定以上のCO2排出量がある事業所に、削減目標を義務付けているが、改正省エネ法では企業全体のCO2排出量で見ることになる。物流施設では、今までは、対象といっても冷蔵・冷凍倉庫ぐらいであった。今後は、普通倉庫を持っている企業でも、対象になる可能性がある。今までの対応方法を見てきたが、地道な活動のものが多い。冷蔵庫・冷凍庫の開ける時間を減らしたり、フォークリフトをバッテリーにして、深夜電力で充電したりして、対応している。

 ―環境への対応はコストもかかるが。

 尾関 太陽光発電などの話を聞くが、やはりコストがネックになっている。せっかくつけてもコストを回収するのに、数十年かかる。コストが下がることや、売電制度に期待したい。太陽光発電以外にも、省エネ効果の高い照明器具やフォークリフト、冷凍設備機器を購入しても、環境対応になる。補助制度があるので、是非使ってもらいたい。新年度(平成22年度)の補助対象の募集も開始している。物効法などの申請も含めて、分からなければ、各運輸局に聞けば、対応できるようにしている。

 ―大型物流施設への集約の裏で、古い倉庫の空きなども出てきている。

 尾関 周辺環境が住宅地になってしまったといった変化などで、物流がやりにくくなっている倉庫があるのは知っている。また、そういった倉庫を改修して、オフィスやレストラン、スタジオなどに利用されている事例も聞いている。こういった有効活用が進んでいくだろう。ただし、そういった倉庫は歴史の重みや、雰囲気があっていいなと思う。個人的には、倉庫として残っていてもらいたいという気持ちもある。

 ―都心部の倉庫では、トランクルームへの転用も進んでいる。

 尾関 倉庫業のトランクルームと不動産業のレンタルスペースの2種類が混在している。その中で、“倉庫”と銘打っていても、実はコンテナが置かれているだけの場合や、レンタルスペースの場合もある。消費者の混乱を招く状況と認識している。

 ―最後に物流業界、物流企業にメッセージを。

 尾関 物流は社会のインフラとして、重要なもの。その中で、物効法も含め、どういったことをお手伝いできるのか考えている。今後も、物流の勉強を続けて、皆様のお役に立ちたい。

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